ウクライナのゼレンスキー政権がエネルギー業界を巡る巨額の汚職事件で揺れている。事件にはゼレンスキー大統領の盟友の実業家や現役閣僚らが関与し、汚職額は計1億ドル(156億円)規模に上るとされる。ロシアの攻撃で電力不足が深刻化する中での汚職発覚は国民に政権への不満を強めさせたほか、国際社会からの財政支援に悪影響を与える可能性もある。政権側は19日、事件に関与したとされる閣僚2人を解任したが、事態が収束に向かうかはなお見通せない。 問題の発端は10日、ウクライナ国家汚職対策局(NABU)が国営原子力企業「エネルゴアトム」に絡む汚職事件の摘発に着手したと発表したことだった。NABUによると、「犯罪組織」が、エネルゴ社との契約で便宜を図る見返りなどとして取引先から計1億ドル以上の賄賂を受け取っていたという。 さらに、「犯罪組織」を主導していたのがゼレンスキー氏の民間人時代の盟友である実業家ミンディッ