■最大級アンテナに国産技術 テニスコートより広い世界最大級のアンテナを2面備えた通信技術試験衛星「きく8号」が16日、鹿児島県・種子島宇宙センターからH2Aロケット11号機で打ち上げられる。衛星全体も5・8トンと重く、気象衛星「ひまわり」シリーズと同じ高度約3万6000キロの静止軌道を目指して打ち上げるため、11号機は初めて大型補助ロケットを4本付ける最強の型式だ。 現在、船などで使われるインマルサット静止衛星電話の端末は、持ち運びできるタイプでもアタッシェケース大だが、きく8号の端末は携帯電話並み。通信アンテナは、金属の細かい網を張った六角形の傘を片面で14本組み合わせた日本独自の方式だ。実用化できれば国際的なビジネスになるため、NTTなど関係者の期待は大きい。 ≪電球と絹織物≫ 1997年度の設計開始から8年間、プロジェクトマネジャーを務めた宇宙航空研究開発機構の本間正修(ほん

