来週の相場で注目すべき3つのポイント:日銀短観、米雇用統計、USMCA更新判断期限

執筆:
発行済 2026-06-27 16:41
更新済 2026-06-27 16:45
来週の相場で注目すべき3つのポイント:日銀短観、米雇用統計、USMCA更新判断期限

来週の相場で注目すべき3つのポイント:日銀短観、米雇用統計、USMCA更新判断期限

*16:41JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:日銀短観、米雇用統計、USMCA更新判断期限 ■株式相場見通し

予想レンジ:上限72000円-下限67500円

今週末の米国株式市場は下落。
ダウ平均は前日比44.51ドル安の51876.11ドル、ナスダックは同60.99ポイント安の25297.62で取引を終了した。
225ナイト・セッションは日中終値横ばいの69610円。
原油価格が続落したほか、金利低下が下支えとなったものの、AI関連株の過熱警戒感が拭い切れない中でSOX指数が5%超の下落となり、上値を抑制した。


目先はAIラリー継続の有無が焦点となってこよう。
上値追いに躊躇していた投資家にとっては、AI関連株の格好の押し目買い局面へとつながる可能性もある。
6月末にかけては海外年金資金のリバランスの動きが強まり、ここまで上昇してきたAI関連株には利益確定の動きが優勢になるとの見方もあっただけに、健全な調整とも受け止められる余地はあろう。
ただし、韓国半導体株下落のきっかけとなったSKハイニックスのHBM生産縮小、DRAMへの生産シフト計画報道だが、これは、コスト増に伴うハイパースケーラーの利益率圧迫、今後のメモリ価格の上昇抑制を意識させるものと考えられる。
また、オープンAIのIPO延期報道は、機関投資家のAI投資需要減退を想起させるものとも捉えられよう。
このため、7月以降、年金資金のAI関連株買いが期待通りに盛り上がるか疑念は残る。
小幅調整の段階におけるAI関連株への押し目買いには慎重な対応が必要とされよう。
なお、26日に日経平均は大幅下落となったものの、プライム市場では約6割の銘柄が値上がりとなっており、短期的にはこうした出遅れ銘柄への関心を高めたい。


国内における翌週の注目イベントとしては日銀短観が挙げられる。
まずは、設備投資計画における上方修正の幅が注目される。
3月から5月にかけては工作機械受注が極めて好調に推移しており、設備投資関連株の期待材料へとつながる可能性が高いとみられる。
ちなみに、26年の投資計画は3月調査(全産業)では3.3%増であった。
また、先行きの業況判断DIの低下幅が限定的であれば、中東情勢を起因とした業績下振れリスクは緩和されることになろう。
ほか、業種ごとのDIの変化幅に差が大きくなれば、それがセクターパフォーマンスの格差につながっていく余地もある。


米国では雇用統計が注目されるが、5月は雇用者数が想定以上に増加して市場にネガティブインパクトを与えたこと、その後の連邦公開市場委員会(FOMC)では声明文やウォーシュ連邦準備制度理事会(FRB)新議長の発言など想定よりもタカ派的な印象であったことなどから、警戒感が先行しやすいものと考えられる。
一方、雇用統計発表前には住宅価格指数が発表予定であり、価格の鈍化傾向が強まれば、家賃も連動しやすいとみられることから、インフレの鈍化期待につながることになる。
なお、7月1日には、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)見直しのオンライン会合も予定されている。



■為替市場見通し

来週の米ドル・円は伸び悩みか。
米年内利上げ観測でドル買い地合いは継続の見通し。
ただ、約40年ぶりに162円台に浮上すれば、為替介入への警戒が強まり、上値の重さが意識される。
6月25日に発表された米5月コアPCE価格指数は前月比、前年比とも上振れ予想と一致し、高止まりを示した。
米連邦準備制度理事会(FRB)の年内利上げ観測を後押しする内容で、米金利高・ドル高地合いは続く見通し。
高市政権の財政運営でも円売りに振れやすく、ドルをはじめ主要通貨を押し上げる展開が予想される。
また、日銀の早期利上げはすでに織り込まれ、円買いよりも円売り材料となっている。
ドル・円は1986年以来約40年ぶりとなる162円台を目指す展開。
ただ、市場では162円を上抜ければ介入との見方が広がる。
日本単独での実施なら効果は限定的だが、一方で日米協調介入なら当面はドル安・円高方向とみられている。



■来週の注目スケジュール
6月29日(月):百貨店・スーパー売上高(5月)、小売売上高(5月)、月例経済報告(6月)、欧・ユーロ圏マネーサプライ(5月)、欧・ユーロ圏景況感指数(6月)、欧・ユーロ圏消費者信頼感指数(6月)、ECB(欧州中央銀行)フォーラム(7月1日まで)、ラガルドECB総裁が開会の辞など

6月30日(火):失業率(5月)、有効求人倍率(5月)、鉱工業生産(5月)、住宅着工件数(5月)、米・FHFA住宅価格指数(4月)、米・S&P/コアロジックCS20都市住宅価格指数(4月)、米・JOLT求人件数(5月)、米・消費者信頼感指数(6月)、中・製造業PMI(6月)、中・非製造業PMI(6月)、独・失業保険申請率(6月)、独・CPI(6月)、英・GDP確報値(1-3月)など

7月1日(水):日銀短観(大企業製造業)(4-6月)、製造業PMI(6月)、消費者態度指数(6月)、米・ADP雇用統計(6月)、米・製造業PMI確報値(6月)、米・建設支出(5月)、米・ISM製造業景況指数(6月)、中・RatingDog製造業PMI(6月)、欧・ユーロ圏製造業PMI確報値(6月)、欧・ユーロ圏CPI(6月)、独・製造業PMII確報値(6月)、露・GDP(1-3月)、「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」更新判断の期限など

7月2日(木):対外・対内証券投資(先週)、マネタリーベース(6月)、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・非農業部門雇用者数(6月)、米・失業率(6月)、米・平均時給(6月)、米・耐久財受注(5月)、米・製造業受注(5月)、欧・ユーロ圏失業率(5月)、豪・貿易収支(5月)など

7月3日(金):サービス業PMI(6月)、需給ギャップと潜在成長率(日本銀行)、連合が2026年春季生活闘争(春闘)の最終回答集計結果公表、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2025年度運用結果公表、米・株式市場は祝日のため休場(独立記念日の振替)、中・RatingDogサービス業PMI(6月)、欧・ユーロ圏サービス業PMI確報値(6月)、独・サービス業PMI確報値(6月)など

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