この小説はTwitter連載時のログをそのままアーカイブしたものであり、誤字脱字などの修正は基本的に行っていません。このエピソードは物理書籍においては大幅に改稿され、それぞれ上記物理書籍に収録されています。原作者の意向に基づき、このログは一部改訂を行っています。また、第2部のコミカライズが、現在チャンピオンRED誌上で行われています。 1 彼は燃えながら落下していた。熱と光。彼にとって生まれて初めての経験だ。そしてこの世で最後の。燃えているのは彼自身である。身体を覆う守りは溶け、剥がれ、燃えながら失せ、光は彼の全感覚器に侵食してきた。コンマ数秒で破滅は彼の感覚の閾値を超え、脳は沸騰し、真空中に跡形ひとつ残さない。 ……当然そうなる筈であった。だが彼は消えなかった。彼は不可思議な静寂の中に己を見出していた。まだらの雲の白を、緑を、黄を、黒を、鮮烈な海の青を。回復しつつある彼の視力は、途方もな

