「良かれと思ってアドバイスしたのに、相手に響いている気がしない」。誰しも一度は味わったことがあるこの悩みは、もしかすると「アドバイス」という行為そのものに原因があるのかもしれません。 公認心理師の小倉広さんは、アドバイスが本質的に持つ「否定」の意味合いと、それが人間の「本能」に根ざした行動であると指摘し、「アドバイスの99%が逆効果」だと断言します。 答えのない仕事に日々向き合わなければならない時代、私たちはどのように人を動かせばいいのか。アドバイスが逆効果になる理由から、アドバイスをせず人を育てるための具体的なスタンスや練習方法まで、小倉さんに詳しく伺いました。 なぜ人はアドバイスをしたくなってしまうのか ──一般的に、アドバイスはポジティブなもの、むしろ場合によっては「しないとダメ」とすら思われている節がありますよね。 小倉広さん(以下、小倉):断言してもいいのですが、アドバイスの「9

