GMO Flatt Security Blog

GMO Flatt Security株式会社の公式ブログです。プロダクト開発やプロダクトセキュリティに関する技術的な知見・トレンドを伝える記事を発信しています。

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プロダクト開発やプロダクトセキュリティに関する技術的な知見・トレンドを伝える記事を発信しています。

技術

Unityランタイムにおける任意コード実行が可能な脆弱性の技術的解説(CVE-2025-59489)

※ 本記事は Unity と開示タイミングを調整し公開された英語版の第一報記事の翻訳版です。 はじめに こんにちは、GMO Flatt Security株式会社でセキュリティエンジニアをしている RyotaK(@ryotkak)です。 本記事では、2025年5月に開催された Meta Bug Bount…

Ruby on Rails 6から7に上げただけで情報漏洩?Hash→JSON 変換の挙動変更で実際に生まれた脆弱性

こんにちは、GMO Flatt Security の大崎です。 本記事では、私が作問し弊社の Kaigi on Rails 2025 出展ブースで出題したクイズを解説します。 このクイズは、実際に HackerOne に報告された脆弱性を元ネタとしています。 Ruby on Rails をバージョンアップ…

「Go セキュアコーディングクイズ」in Go Conference 2025 解説

Go Conference 2025 に協賛し、ブースを出展させていただきました! セキュリティエンジニアの xryuseix です。今回は先日開催された Go Conference 2025 の振り返りと、ブースで出題したセキュアコーディングクイズの解説をお届けしたいと思います! 弊社は…

Passkey認証におけるアカウント乗っ取り - Non Discoverable Credentialフローとの混在に起因する脆弱性(CVE-2025-26788)解説

先日公開した記事「Passkey認証の実装ミスに起因する脆弱性・セキュリティリスク」では、「8. Non Discoverable Credentialのフローとの混在」において、StrongKey FIDO Serverのアカウント乗っ取りが可能な脆弱性について言及しました。StrongKey FIDO Serv…

Still X.S.S. - なぜいまだにXSSは生まれてしまうのか?

XSSこわい 若頭: おいお前ら、なにかおもしろい遊びをしねえか。こんなにみんなで集まる機会もそうねえだろう エンジニア佐藤: そうですねえ、こんなのはどうでしょうか。人間誰しも怖いものが1つはありますから、それをみんなで教えあってみましょうよ 若頭…

Passkey認証の実装ミスに起因する脆弱性・セキュリティリスク

こんにちは、GMO Flatt Security株式会社 セキュリティエンジニアの小武です。 近年、WebAuthn、特にPasskeyはパスワードレス認証への関心の高まりや利便性の高さから、普及が進んでいます。 WebAuthnによるPasskey認証は強固な認証手段ですが、複雑な認証基…

AI「できました!」人間「(…本当に大丈夫か?)」 Devinと探る、AIコードセキュリティ虎の巻

万華鏡のように変化するテクノロジーの世界。かつて専門家が丹精込めて紡ぎ出していた『創造物』――精巧な絵画や心揺さぶる音楽、そして複雑なプログラムコードでさえも――が、今やAIによって驚くほど自然に、そして巧妙に生み出されています。その筆致やロジ…

MCPにおけるセキュリティ考慮事項と実装における観点(後編)

本稿は MCP のセキュリティを前後編で解説するものの後編です。前編では MCP のセキュリティを、利用者の視点から考察しました。 https://blog.flatt.tech/entry/mcp_security_first 後編となる本稿では、攻撃者視点から脅威や攻撃手法を整理します。そのう…

RAG(検索拡張生成)を用いるLLMアプリにおける、セキュリティ視点での実装ガイドライン

はじめに こんにちは、GMO Flatt Security株式会社 セキュリティエンジニアの藤田(@fujitargz)です。 昨今のLLM(大規模言語モデル)の急速な進化にともない、LLMを活用したサービスが多数登場しています。しかし、業務改善・ビジネス活用を狙ってLLMを触…

LLMガードレールの活用法と役割を正しく理解する

TL;DR LLMガードレールはLLMの入出力を監視・制御する技術であり、LLMアプリケーションにおける様々な脅威への対抗策になります。しかし、あくまで役割は脅威の緩和・低減であるため、それぞれの脅威に対する根本的な対策をした上で、万が一の事故に備え文字…

現場のAI活用希望 vs セキュリティ - 板挟みコーポレートエンジニアのためのセキュリティ・ガバナンス実践録

はじめに こんにちは。GMO Flatt Security株式会社でコーポレートセキュリティエンジニアをしています、hamayanhamayanです。 様々な企業で生成AIの活用が進んでいることと思います。その流れは当社も例外ではなく、今年に入ってから、生成AIの全社的な利用…

Amazon Bedrockを活用した生成AIアプリケーションにおけるセキュリティリスクと対策

本稿では、Amazon Bedrock を活用して生成 AI アプリケーションを開発する際に気をつけるべきセキュリティリスクや対策について紹介します。

AI破産を防ぐために - LLM API利用におけるEconomic DoSのリスクと対策

はじめに こんにちは、GMO Flatt Security株式会社セキュリティエンジニアの松井(@ryotaromosao)です。 近年、LLM(大規模言語モデル)が目覚ましい進化を遂げており、それを利用したLLMアプリケーションが急速に増加しています。特に、AIチャット機能やエ…

プロンプトインジェクション対策: 様々な攻撃パターンから学ぶセキュリティのリスク

はじめに こんにちは、GMO Flatt Security株式会社セキュリティエンジニアの石川(@ryusei_ishika)です。 近年、ChatGPT や Gemini などの大規模言語モデル(LLM)をはじめとする生成 AI の活用が急速に進んでいます。その一方で、これらの AI モデルに対する…

AI 時代の認可制御入門:「AI でつくる人」「AI をつくる人」のための実践ガイド

はじめに こんにちは。GMO Flatt Security株式会社 ソフトウェアエンジニアの梅内(@Sz4rny)です。 一つ前の記事である「MCPにおけるセキュリティ考慮事項と実装における観点(前編)」では、MCP Server / Client のリスクについて紹介しました。本記事では、…

MCPにおけるセキュリティ考慮事項と実装における観点(前編)

MCP logo ©︎ 2024–2025 Anthropic, PBC and contributors | MIT license はじめに 本記事は、セキュリティエンジニアのAzaraこと齋藤とコーポレートセキュリティエンジニアのhamayanhamayanが、社内で行ったディスカッションを元に記述した記事です。 本記事…

MCPやAIエージェントに必須の「LLMの外部通信・連携」におけるセキュリティ観点

はじめに こんにちは。GMO Flatt Security株式会社 セキュリティエンジニアの山川(@dai_shopper3)です。 LLMはテキスト生成、要約、質問応答といった多様な用途に高い能力を発揮しますが、単体での活用にはいくつかの制約があります。そもそもモデル単体には…

LLMフレームワークのセキュリティリスク - LangChain, Haystack, LlamaIndex等の脆弱性事例に学ぶ

はじめに こんにちは。GMO Flatt Security株式会社セキュリティエンジニアの森(@ei01241)です。 近年、大規模言語モデル(LLM)の進化により、チャットボット、データ分析・要約、自律型エージェントなど、多岐にわたるAIアプリケーション開発が進んでいます…

LLM / 生成AIを活用するアプリケーション開発におけるセキュリティリスクと対策

はじめに こんにちは、GMO Flatt Security株式会社セキュリティエンジニアの佐藤(@Nick_nick310)です。 近年、大規模言語モデル(LLM、 Large Language Models)の進化と普及は目覚ましく、多くのサービスや業務プロセスで生成AIとして活用されています。LLMは…

【RubyKaigi 2025クイズ解説】GitLabの事例に学ぶ、Webアプリケーションの重大な脆弱性

GMO Flatt Securityの大崎です。RubyKaigi 2025の弊社ブースで「バグバウンティクイズ」に回答いただいた皆様ありがとうございました。 私はブースには立ちませんでしたが、今回作問を担当しました。各脆弱性の解説ブログとして本記事を執筆させていただきま…

OpenWrtへのサプライチェーン攻撃 - SHA-256の脆弱な取り扱いとコマンドインジェクションによるファームウェアアップデートの侵害

※本記事は筆者RyotaKが英語で執筆した記事を、弊社セキュリティエンジニアryotaromosaoが日本語に翻訳したものになります。 はじめに こんにちは、Flatt SecurityでセキュリティエンジニアをしているRyotaK (@ryotkak)です。 数日前、自宅のネットワークをア…

重複したIAM、拒否と許可どっちが優先?アクセス制御の特性をAWS・Google Cloud・Azure・Firebaseそれぞれについて理解する

はじめに こんにちは、セキュリティエンジニアの@okazu_dm です。 突然ですが、皆さんは以下のクイズに自信を持って回答できるでしょうか。これはSRE NEXT 2023で弊社が出題したクイズなのですが、それぞれのポリシーに存在するAllow, Denyのうちどれが優先…

10,000リクエストを166msで送信する、Race Conditionの新手法のリサーチについて

※本記事は筆者RyotaKが英語で執筆した記事を、弊社セキュリティエンジニアShion1305が日本語に翻訳したものになります。 はじめに こんにちは、Flatt SecurityでセキュリティエンジニアをしているRyotaK(@ryotkak)です。 2023年にPortSwigger社のJames Kettl…

BlackHat USA 2024 / BSides Las Vegas / DEF CON 32 に会社の海外研修制度を利用して参加しました!

はじめに Flatt Security セキュリティエンジニアの Tsubasa、lambdasawa、Osaki です。本ブログでは、2024年8月に開催された Bsides Las Vegas、Black Hat USA 2024、DEF CON 32 に弊社メンバーが参加した際の記録、および、特に興味深かったセッションの詳…

CTFで出題される脆弱性 vs プロダクトセキュリティのリアルな課題

週末をCTFに費やし、平日の余暇時間をその復習に費やしている @hamayanhamayan です。去年2023年はCTFtime1調べでは66本のCTFに出ていて、自身のブログでは解説記事を40本ほど書いています。 自分はCTFプレイヤーですが、一方で、Flatt Securityはお仕事でプ…

この2年でFirebase Authentication はどう変わった?セキュリティ観点の仕様差分まとめ

はじめに こんにちは、@okazu_dm です。 今回自分がぴざきゃっとさんが2022年4月に書いた以下の記事を更新したため、本記事ではその差分について簡単にまとめました。 Firebase Authentication利用上の注意点に関して生じた差分とは、すなわち「この2年強の…

Go, Ruby, Rust等の言語に存在した、Windows環境でコマンドインジェクションを引き起こす脆弱性"BatBadBut"

※本記事は筆者RyotaKが英語で執筆した記事を、弊社セキュリティエンジニアkoyuriが日本語に翻訳したものになります。 はじめに こんにちは、Flatt SecurityでセキュリティエンジニアをしているRyotaK( @ryotkak )です。 先日、特定の条件を満たした場合に攻…

S3経由でXSS!?不可思議なContent-Typeの値を利用する攻撃手法の新観点

はじめに セキュリティエンジニアの齋藤ことazaraです。今回は、不可思議なContent-Typeの値と、クラウド時代でのセキュリティリスクについてお話しします。 本ブログは、2024 年 3 月 30 日に開催された BSides Tokyo で登壇した際の発表について、まとめた…

「YAMLパース占い」in RubyKaigi 2024 で伝えたかったこと

今年もRubyKaigiに協賛させていただきました! Flatt Security 執行役員CCO / プロフェッショナルサービス事業部長の @toyojuni です。先日沖縄県那覇市で開催されたRubyKaigi 2024の振り返りと皆様への感謝の気持ちを込めて本記事を執筆します。 昨年に引き…

オブジェクトストレージにおけるファイルアップロードセキュリティ - クラウド時代に"悪意のあるデータの書き込み"を再考する

はじめに セキュリティエンジニアの齋藤ことazaraです。今回は、オブジェクトストレージに対する書き込みに関連するセキュリティリスクの理解と対策についてお話しします。 本ブログは、2024年3月30日に開催された BSides Tokyo で登壇した際の発表について…