Google Play で配信しているゲームにおける定期購入の売り上げは 2019 年から急伸しています。定期購入を導入すると定期的な収益を確保する以外にも、ユーザーのエンゲージメントを高めることでゲームの世界観を広げ、ファンを増やす効果があることがわかりました。
日本の Google Play におけるゲームの定期購入売上成長率
では、定期購入の機能をうまく使いこなしているゲームタイトルはどのような部分を大事に考え、サービスの設計をしているのでしょうか。
ゲームに定期購入を導入する際には、まず解決したい課題を明確にすることが大切です。その上で、魅力的な定期購入の特典設計をし、ユーザーの購入意欲を喚起して継続してもらうための施策を講じます。
ゲームにおいて解決したい課題は、ゲームによって異なり、例えば以下のように多岐にわたります。
次に、設定した課題を解決するために定期購入をどのように組み入れ、どのような価値を提供するべきかを検討し、短期的な特典、中期的な特典、長期的な特典の 3 つを組み合わせたサービス設計を行います。
その他、解決したい課題が複数ある場合、条件や特典、期間などを変えた複数の定期購入を提供することも効果的です。KLab株式会社の「BLEACH Brave Souls」は、定期購入プランの「ブレソル満喫パス」と「キャラ獲得パス」を提供し、異なる目的に合わせて課題の解決を実現しています。それぞれのパスに短期、中期、長期(満 3 ヶ月継続)の特典を設定しており、また、両方のパスを同時に購入することも可能です。
単独の定期購入プランでもゲームを楽しめる設計になっていながら、組み合わせて利用することでさらにゲームプレイを充実できるようにすることで、ユーザーの満足度を下げない仕組みになっています。
ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社が手掛けるパズルロールプレイングゲーム「パズル&ドラゴンズ」は 2019 年 12 月に定期購入プランの「パズドラパス」を導入しました。「パズドラパス」では通常課金メニューとは異なる特典とサービス設計を意識しており、また、1 週間の無料トライアル期間を設けることで、加入意欲を高める施策を講じています。
株式会社スクウェア・エニックスが手掛ける「星のドラゴンクエスト」は、2019 年 7 月より定期購入プラン「星パス (月額版)」を提供しています。
14 日間限定シーズンパス「星の冒険者パスポート」の月額版として位置づけ、シーズンパスよりもより魅力的な特典を付与しています。また、こちらも初回の星パス (月額版) を無料で提供し、かつ、シーズンパスをすでに購入済みのユーザーにも無料で購入できるよう設計することで、定期購入プランの購入ハードルを下げました。
「モンパス」は、ロイヤルユーザーとのタッチポイントとなる機能を持った定期購入プランとして設計され、定期購入を継続しているユーザーに毎日、1 か月ごと、3 か月ごとと異なる特典を設けることで、継続意欲を上げ解約率を下げる効果を高めています。
定期購入ユーザーを増やすには、加入率と継続率を高め、解約率を削減することが必要です。また、定期購入を解約したユーザーへ再度の購入を促すことも重要です。定期購入プランの特典設計の他に、各社の定期購入は、加入率を向上する無料試用とお試し価格や、ユーザーの予期しない解約を防ぐ猶予期間、アカウントの一時停止機能などを活用しています。
上記 3 タイトルの定期購入ユーザーと非購入ユーザーと比べると、定期購入ユーザーのログイン率が高くなる、または、よりゲームをプレイする傾向があることがわかりました。
「パズル&ドラゴンズ」と「星のドラゴンクエスト」では、定期購入ユーザーのログイン率が非購入ユーザーと比較して高くなりました。「パズル&ドラゴンズ」の場合、「パズドラパス」を 3 か月継続購入しているユーザーと、非購入ユーザーを中央値で比較すると 30 ポイントほどログイン率が高く、同程度のゲーム進行度のユーザーのみ抽出した際にも、購入ユーザーは 20 ポイントほどログイン率が高くなりました。「星のドラゴンクエスト」の「星パス (月額版)」 購入ユーザーは、非購入ユーザーよりも、ログイン率が 1.2 倍高くなりました。
ログイン率が上がることで、ゲームプレイの継続率やクエストクリア回数の向上にも繋がります。「星のドラゴンクエスト」の「星パス (月額版)」 購入ユーザーは、非購入ユーザーと比べ、クエストクリア回数が 2.6 倍、マルチクリア回数は 3.2 倍になりました。「モンスターストライク」の「モンパス」を購入したユーザーは、モンパス購入前と比較して、一日あたりのプレイ回数が 20% ほど増え、エンゲージメント促進に寄与しています。
ゲームに定期購入を導入することで、ユーザー数やエンゲージメントを高め、ビジネスの成功につなげることができます。Google Play は、定期購入の価格設定オプションを簡単にコントロールしたり、定期購入の内容を変更するための複数のオプションが用意されています。詳しくはこちらをご覧ください。
Posted by Toru Shimazaki - Google Play, Partner Development Manager
個人や小規模グループでゲームを開発するデベロッパーの情熱やイノベーションを称えるため、今年 3 年目となる Google Play | Indie Games Festival 2020 を開催しました。例年のようにファイナルイベントを公開対面形式で実施できないため、オンラインでの最終選考会をデベロッパーや、株式会社 Sisilala 安藤様を始めとする業界のさまざまな方からのご協力のもと開催することができました。
多くの取り組みが変更を余儀なくされる中でも、従来のイベントでは実現できなかった Top 20 全作品のプレゼンテーション枠の確保など、オンラインだからこそ実現できることに取り組みました。動画内では、Top 3 に入賞した合同会社リビルドゲームスの「METBOY!」様からイベントに対する感想も頂戴しています。
Google Play | Indie Gaes Festival 2020 の詳細をまとめた動画をご覧ください。
Google は最新の技術情報やツールを、ウェブサイトやブログ、メール、各種動画、オンラインや対面のイベントで広くデベロッパーの皆さまに提供しています。2020 年はオンラインでの情報発信を強化し、Android 11 Android Developers Japan Blog の開設や、Android 11 Meetups をはじめ、さまざまなイベントをオンライン開催に切り替えました。以前より、サービスの改善と技術力、スキルの向上に Google の最新技術を積極的にご活用頂いている株式会社 LIFULL は、昨年から本年にかけてマテリアル デザインを使ってアプリの UI/UX を刷新しました。大規模な改修の後にも関わらず、ユーザー レビューで高い評価を得るなど、ビジネス面でも良い結果を残すことができました。
株式会社 LIFULL の取り組みをまとめた動画をご覧ください。
Posted by Tamao Imura - Developer Marketing Manager, Platforms and Ecosystems
2020 年は、予想もつかない事態が続く中で、困難な状況をポジティブに変える取り組みに多くのデベロッパーの皆さまが精力を傾けてこられました。世界保健機関(WHO)と世界中のゲーム関連事業者が提唱した #PlayApartTogether (離れていっしょに遊ぼう)キャンペーンを日本でも立ち上げ推進した、株式会社ミラティブと株式会社ミクシィの取り組みもその 1 つです。
Google Play では Play ストアに特集ページを設け、賛同デベロッパーのゲームを掲載しました。詳細をまとめた動画をご覧ください。
2020 年もあと一ヶ月となりました。今年は、想像できない年となりました。Google Play は、デベロッパーの皆さまが必要とされているサポートを提供するために、Indie Games Festival や Android 11 Meetups をはじめとしたデベロッパー向けの各種イベントのオンラインへの移行、 Android Developers Japanブログの開設を始めとするオンラインでの情報発信と精度の強化を行ってきました。その一方で、デベロッパーのみなさまは、様々な困難の中、ユーザーファーストの精神を忘れず、この 1 年の変化に対応するために多くの工夫と努力を続けてこられました。前例のない一年となった 2020 年の総括として、日本の Android デベロッパーによる多くの取り組みの中からその一部をピックアップし、動画としてまとめました。どうぞ、ご覧ください。
Android と Google Play は多くの皆さまに支えられ、成長を遂げることができました。これからも日本のデベロッパーの皆さまが、Android や Google Play に関する情報を日本語で、そしてさらに簡単に必要な情報にアクセスできるよう、Android Developer Japan Blog (日本語)を 本日 2020 年 11 月 2 日からスタートしました。
特定の製品情報を探しやすくするために、2020 年 11 月以降、Android と Google Play の情報は Android Developers Japan Blog をメインのブログとして情報掲載を開始します。Android と Google Play の情報をお探しの方は、Android Developers Japan Blog を今後ご覧ください。
日本で開催される Android と Google Play 関連のイベントやキャンペーンなどの日本のデベロッパー様向けの情報を随時発信していきます。
製品情報、新規機能やポリシーの変更などだけではなく、Android と Google Play をより活用するための事例や分析方法、マーケティングの情報なども順次掲載していきます。
Android Developers Japan Blog をぜひご覧ください。