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3000円以下のイヤホンの中で音質トップクラスのTRN ORCAがAmazonセールで半額の1,075円に

自分が3000円以下の安価なイヤホンで一番音が良いと思っているのは、Amazonで1,650円で売っているTRN MT5である。その元のモデルといえるTRN ORCAで普段は2000円を超えているのが、今回のセールでなんと半額に!


※追記
TRN ORCAが売り切れてしまったが、MT5にいつの間にか半額クーポンがついて、825円の激安セールになっているので、こちらを勧める。ORCAとの違いはDIPスイッチがないこととフェイスプレートのデザインだ。MT5のフェイスプレートはシンプルな分、使いやすいだろう。
※クーポンは10月11日まで

音質の良さについて


TRN ORCAの音の良さは解像度が高いこと。いわゆる「聴こえなかった音が聴こえる」という体験ができる。以前推していたKZ EDX Liteと比べると、この解像度の高さが違っていて、繊細な表現もできるイヤホンなのだ。
ビリー・アイリッシュのウィスパーボイスと重低音をしっかり表現でき、米津玄師など、いまどきの重低音が多用されているJ-POPに向いている。米津玄師『IRIS OUT』は45秒から(歌詞でいうと“一体どうしようこの想いを”から)女性ボーカルが重なるのだが、音が悪いイヤホンだとそれがわかりにくい。高音がクリアなイヤホンだとここが重なっていることがしっかりわかる。
低音の強さから激しい曲にはよく合うが、静かな曲にも合っている。RADWINMPS『グランドエスケープ』『すずめ』では、空間の広がりがよく伝わってきて、そこに響きの綺麗な女性ボーカルが加わり、気持ちよく聴ける。自分がアコースティックな楽曲のベンチマークとしているのは、エンヤやルルティア新居昭乃菅野よう子志方あきこ梶浦由記なのだが、この辺りの曲と相性が良い。
もちろんもっと高価格なイヤホンと比べれば、解像度や空間表現、音の余韻などは負けるが、同価格帯の中ではトップクラスの音質で、際立った不得意な面はなく、なんでもいける万能型といえる。
そしてリケーブルできるので、万が一断線しても簡単に交換できるし、バランス接続にするのも簡単だ。いまどきの耳掛け式中華イヤホンを体験する最初の製品として、うってつけである。

3.5mmの付属ケーブル。コネクタはQDCタイプだが、角形でなく丸形になっているのがTRNのケーブルの特徴

以前はORCA/MT5ともにUSB接続モデルも販売されていたのだが、現在は販売が終了してしまっている。USB接続イヤホンとして勧められなくなって残念である。
※正確にはAmazon発送でないところからの販売があるのだが、ちょっと勧めづらいので

以前発売されていたUSB接続モデルに付属していたUSBケーブル

TRN CONCHとの違い

TRN製品といえば、CONCHが話題で人気だが、CONCHは高音が刺さるという人もいる。TRN CONCHはドライバーがDLC振動板、TRN ORCAやMT5はLCP振動板なのだが、そのためか、高音は刺さるというほどではない。ただ、ヘタなイヤホンよりは高音がクリアに出る。自分は音質面で高音がクリアかどうかを重視するのだが、そんな自分でも満足できる高音が出てくる。CONCHもセール対象になっているので、付属品が多い方が好きという人はこちらを。

イヤーピースは最小限構成

MサイズのT-EAR Tipsと3サイズのシリコンイヤーピースが付属している。TRN ORCAのレビューで大半の人がイヤーピースは交換必須といっているのだが、T-EAR Tipsは割と良い方のイヤーピースだと思うので、そこまで交換必須かなとは思う。

ディップスイッチで音の変化が楽しめる


ディップスイッチによる音の変更という楽しみもある。低音重視か、高音重視かを選べる。自分は最初のバランスが気に入っていたので特に変更はしなかった。
※ディップスイッチの設定は公式サイトを参照
TRN ORCA | Worldwide Shipping | TRN-AUDIO

金属筐体なので約9gと少し重め

シャチをモチーフにしたデザインが印象的で、音の響きの良さは金属筐体のおかげでもあるだろう。ただ、塗装が剥がれやすいので、あまりラフな扱いはしない方が良い。

普段の価格だとTRN MT5がお勧め / TRN V10 Proも安い

TRN ORCAからディップスイッチをなくしたのが、TRN MT5なのだが、そのおかげで軽くなっているという利点がある。今回TRN ORCAが激安なのでお勧めしたが、TRN MT5も良いイヤホンである。今回セール対象になっていないが、普段の価格でも充分安いので、こちらもお勧めしておきたい。

マルチドライバーのTRN V10 Proも40%OFFクーポンが出ていてお買い得である。

TRN製品はショップのお勧めには入らない

安価なイヤホンは最近だとAZLA TRINITYが話題になったが、あの製品はあくまで「ストレート型」「イヤーピースが高品質」「USB接続モデルが安い」「量販店で売っている」などといった条件付きで良いのであって、低価格製品の中で絶対的に音が良い訳ではない。TRN MT5やORCAと比べると、女性ボーカルのような中音の高域や、高音のクリアさに欠けている。
イヤホン販売店による低価格製品のお勧めは、ショップで扱っていない製品は入れられないので、日本国内ではAmazonでしか販売していないTRN製品は入ってこない。TRN CONCHは完全にネットの口コミだけで売れている。

TRN製品はAliExpressとの価格差が少ない

最近中華オーディオ製品は安いAliExpressで買う人も多いだろう。自分もかなり購入している。中華イヤホンで有名なKzは特にAmazonとAliExpressの価格差が激しいのだが、TRN製品は価格差が少なく、数百円程度の差であることが多い。その程度の差なら不良品の返品や保証を考えて、Amazonで買うほうが安心だ。

イヤホンの次はドングルDACを買おう

同じくTRN製品で、TRN BlackPearlは5000円台でバランス接続が可能という価格破壊製品だ。今ならセールで15%OFFになっている。一般的にバランス接続できるドングルDACは1万円前後が相場なのだが、このBlackPearlは非常に安い価格で販売されている。かといって音質や機能が劣る訳でもなく、入門用ドングルDACとしてお勧めだ。これをスマホやPCに繋げると音質を向上できる。
ドングルDACを買うときの注意点としては、製品に音量調整機能があるかどうかだ。スマホの音量調整は段階が少ないので好みの音量にしにくい。TRN BlackPearlは50段階の音量調整機能があるので安心だ。
今回のセールではTRN BlackPearlはクーポン適用でなく、販売価格自体が下がっていたので大丈夫なのだが、クーポンがあるTRN製品を同時購入すると、クーポンはなぜか一製品にしか適用されないので注意して欲しい。
※その後、20%OFFクーポンに変更されたので注意を

ドングルDACと同時にバランス接続のケーブルを買う

ドングルDACと同時に入手して欲しいのが、バランス接続用のケーブルだ。バランス接続について詳しくは解説しないが、音の分離がよくなるなどの利点がある。3.5mmのコネクタはアンバランス接続、4.4mmはバランス接続と覚えておけばいい。ケーブルは安くても1500円程度なので、イヤホンより高くなってしまうが、バランス接続にはそれだけの価値があるのは保証する。
ケーブルの選び方だが、「QDC 4.4mm ケーブル」で検索しよう。音の違いは大きな差ではないので、色やケーブルの太さなどで選んでいい。
メーカー純正がいいなと思うのなら、TRN CONCHにも付属しているTRN RedChainがある。3.5mmと4.4mmのプラグを交換できる利点がある。

一番安いケーブルはKBEAR ST12。色も3種類ある。あと安価なケーブルを出しているのがJSHiFiだ。細いケーブルが好きな人はJSHiFi-Vampireを。

もっと良い音で聴きたい!

このTRNセットは8000円程度で良い音が得られるのだが、ドングルDACのおかげで、様々なイヤホンに対応できるようになるという利点もある。安価なイヤホンの次は高価なイヤホンを買えばいいと考えがちだが、高価なイヤホンはドライバーを複数積んだマルチドライバーや、平面駆動ドライバーといった音量が取りにくくて高出力が必要なイヤホンが多い。なので、スマホやPCのイヤホン出力から、ドングルDACに変えて、大元の出力品質の向上が必要なのである。
イヤホンの音質差を感じたいのなら、1万円以上のイヤホンを勧める。以前花見川さんが記事を書いていたが、1万円以上の価格帯のSIVGA QueやNICEHCK F1 Proは評価が高い製品である。どちらも今回セール対象になっている。

以前書いた中華イヤホン記事は2024年3月と1年以上前だった。安価な中華イヤホンはTRN製品の登場で、かなり光景が変わってしまった。今のEDX Liteの評価は「AliExpressで500円以下だったら複数買って人にプレゼントするのに向いている」という感じ。ヘタなイヤホンよりは音が良いことには変わらないのだが、積極的に人に勧める製品ではなくなった。