TikTokやInstagram、Facebookをスクロールしているとき、マシュマロからホットドッグ、タルトや手づくりのラザニアまで、あらゆる食べ物を野生のアライグマに与えている動画を見たことがある人もいるだろう。
アライグマはフワフワでかわいく見えるが、このような行為は破滅への道だと専門家は警告する(編注:日本では侵略的外来種のアライグマは特定外来生物として、飼育、保管、運搬、野外へ放つことが禁止されています)。
「人々がアライグマと仲良くなりたがるのは素晴らしいことです」と米国ペンシルベニア州狩猟鳥獣委員会の野生生物学者ジャニーン・フリーグル氏は前置きし、「その気持ちはよくわかりますが、問題があります」と指摘した。
まず、野生動物に餌を与えるとすぐ、動物は人間に懐き始める。餌を与える人は愛情と解釈するかもしれないが、動物の行動はすぐ暴力的に変わりうる。(参考記事:「野生動物に餌やりはダメ、でも野鳥は例外? 研究」)
「あなたはそのアライグマを受け入れるかもしれませんが、隣人は違うかもしれません。そして、アライグマにはその違いがわかりません。アライグマは人を食べ物と関連づけてしまいます。それは良いことではありません」とフリーグル氏は説明する。「特に体が小さな人や子どもに対して、アライグマは攻撃的になることがあります。ペットに対しても同じです」
そしてこれは、フリーグル氏が野生のアライグマに餌を与えることを「最悪のアイデアのトップ10に入る」と言う理由のほんの一面に過ぎない。
病気、競争、安楽死
アライグマには鋭い歯があり、かむ力が強いため、指や手をかまれると、確実にけがをする(アライグマにかまれる動画も拡散している)。
ある研究によれば、米国では2001〜2004年、毎年1300人以上がアライグマにかまれて救急医療を受けている。
しかし、野生の哺乳類にかまれたときにもっと心配すべきは、病原体が体内に入り込むことだ。
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