ちょっと硬派なコンピュータフリークのBlogです。

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2013-02-25

Ubuntu脱出計画その1 〜動機編〜

実は最近Ubuntuから別のディストリビューションに転向した。そろそろ新しい環境にも慣れてきたのでエントリにまとめようと思う。

だが、新しい環境について語る前に、なぜUbuntuから乗り換えたのかということについて語ろうと思う。語らなくて良い?いや、まあそう言わずに聞いて行って頂きたい。

2012-09-11

Linuxデスクトップは本当に死んだのか

何がLinuxデスクトップを殺したかというエントリが話題を呼んでいる。これは元が英文のエントリで、著者はなんとGNOMEやMonoプロジェクトを開始したMiguel de Icaza氏だ。そのような御大が「Linuxデスクトップは死んだ」と題したエントリで、最終的に「OSXを使って満足している」という結論に至っているのだから話題にならないわけはない。「OSXを使って満足している」という部分に数多くのマックユーザーが反応してコメントを寄せているのが趣深い。

果たしてLinuxデスクトップは本当に死んだのだろうか?今日はその点について考察しようと思う。

2011-12-30

私は如何にしてWindowsの呪縛から逃れ、Linuxデスクトップという涅槃の環境にたどり着くことが出来たのか。

先日、いますぐWindowsを捨ててデスクトップでGNU/Linuxを使う10+の理由というエントリを書いたところ結構な反響があったと同時に、「Windowsから離れることなんて出来るワケがない」という否定的な意見も多く見られたように思う。確かにWindowsにしか存在しないソフトウェアを使う作業(例えばボカロ作曲)などをライフワークにしている人はWindowsから離れることはできないだろう。

最近はMacユーザーが劇的に増えてきた。筆者もかつては仕事でMacを使っていた。Macでも仕事を進める上で困ることはほとんどなかった。(現在もそのMacは使っているが、OSXではなくPear OSが動いている。)筆者が幸運にもWindowsに縛られない仕事だったということも大きいだろう。(仕事上どうしてもWindowsから離れられないという人にはまず転職をお勧めしたい。プログラマやDBAなどのエンジニア系の仕事をしているなら特に。)そしてLinuxへ移行した今も特に困ることはない。

今日は、どのようにしてWindowsの呪縛から逃れることができるかを紹介しようと思う。

2011-12-06

いますぐWindowsを捨ててデスクトップでGNU/Linuxを使う10+の理由

言及するのが既に周回遅れ気味だが、いますぐコマンドプロンプトを捨てて、Cygwinを使うべき10+の理由という記事がとても人気だったようだ。

Cygwinはご存知の方も多いだろうが、元々はCygnus Support(後にCygnus Solutionsに改名)という会社が開発した、Windows向けのGNU関連のツール群だ。Cygnusという名前にはGNUの3文字が含まれているが、これは「GNUのシノニム」というのが名前の由来だからだ。Cygnusが開発したWindows向けのGNUツール群=Cygwinというわけだ。CygwinはまさにGNUオペレーティングシステムの一部のWindows移植版なのである。このへんのことはCygwinのFAQにも書いてある。余談だが、Cygwinの対抗馬としてはMinGWが出てくるが、こちらは「Minimalist GNU for Windows」の略だ。素晴らしきかなGNU!ちなみに、Cygnus Supportは後にRed Hatに吸収された。Cygnusの血は未だにRed Hatで息づいている。

元エントリではCygwinマンセー状態だが、その素晴らしさはCygwinそのものではなく、GNUオペレーティングシステムに由来しているということを忘れないで頂きたい。感謝の気持ちでいっぱいになったところでフリーソフトウェア財団への寄付をすれば完璧である。そうすればGNUオペレーティングシステムはもっと便利になるだろう。もちろんCygwinを含めて、だ。

CygwinはWindows上にとても便利なCLI環境を導入してくれるが、GNUオペレーティングシステムを堪能したいならもっと良いものがある。そう、GNU/Linuxだ。LinuxカーネルはGNUプロジェクトの一部ではないが、ユーザーランドはGNUによって支えられていると言える。LinuxではCLIだけでなく、GUIでも余すことなくGNUの素晴らしさを満喫できる。まさにGNUの楽園なのである!「Windows環境」にこだわらなければ、GNUの素晴らしい世界があなたを待っている。

2011-06-07

Linuxデスクトップ戦争勃発

今、Linuxデスクトップ界には大きな変化が起きている。デスクトップ向けに利用される二大ディストリビューションであるUbuntuとFedoraにおいて、いずれもデフォルトのデスクトップ環境が従来型のGNOMEではなくなってしまったのだ。4月にリリースされたUbuntu 11.04にはUnityが、5月にリリースされたFedora 15にはGNOME3がそれぞれ搭載されている。(GNOMEそのものが激変してしまったのである!)

Linuxデスクトップのシェアはとても小さい。このブログの読者を含め、ほとんどの人にとってはLinuxデスクトップにどのような変化が起きたとしても、そんなのはどうでもいいことだろう。だが、二大ディストリビューションで同時に変化が、しかもエポックメイキングな変化が訪れたのはただごとではない。筆者には、この変化が新たな時代の幕開けに思えて仕方がないのである。今日は、それぞれのデスクトップ環境の特徴を紹介しつつ、今後の行く末について占ってみたいと思う。

2011-02-02

CompizとGlx-Dockを極める!LinuxデスクトップをOSX風にカスタマイズしよう。

Compizというソフトウェアをご存知だろうか。PC UNIX向けの3Dデスクトップマネージャであり、筆者は愛用している。「日本男児たるもの、GUIなどに頼ってはいかん!だから3Dなデスクトップなど邪道!」という声が一部から聞こえて来そうな気がするが、Webブラウザを常用するようになった今、その指摘は的を射ていないように思う。ならばGUIの使い勝手を改善して作業効率を高めようではないか!と思ったとき、Linuxで真っ先に行き着く先はCompizだろう。

Compizはそれほど新しいソフトウェアではなく、解説しているサイトはあるが、情報が少し古かったり、あまり詳細な解説がなされていなかったりするように思う。そこで、今日はCompizのカスタマイズ方法について解説しよう。実は、筆者はカスタマイズすることによってMac OS X風の使い勝手、すなわちExpose(&Spaces)風の動作にしている。なぜかって?ExposeのUIは優れているからだ。「じゃあ素直にMac使えよ」というツッコミが来そうだが、何を隠そう筆者はMacユーザーでもある。だが、Linuxのほうが動作が軽くて快適なので、もはや常用するのはLinuxばかりなのである。

MacのGUIは優れている。だが、Linuxでも同じようなことが出来る。それが今日のテーマである。MacのGUIと言えばExposeだけではなく、ドックの存在も忘れてはならない。従ってドック風の操作を実現するためのソフトウェアであるGlx-Dockの設定方法についても解説しよう。紹介するのはあくまでも筆者好みのカスタマイズなので、ぜひ読者の皆さんはさらに自分でカスタマイズ方法を追求して頂きたいと思う。

ただし、筆者のデスクトップは英語表記になっているので、プラグインやメニューの表記は英語のまま解説する。日本語のデスクトップを利用されている方は、適宜置き換えて読んでもらいたい。

2011-01-24

Fedora 14のインストールに10分かからなかった件

改めて計測してみたら自分でもびっくりした。VirtualBoxを使ってFedoraをインストールしたら10分かからなかったのである。いつも「嫌に早いな」とは思っていたけれど、まさか「仮想マシンを作ってFedora 14をインストールし、ブラウザを起動して本ブログを開くまでに8分程度しかかからない」というのは驚きである。

YouTubeにその様子をアップしてみたのでぜひ一度ご覧頂きたい。Linuxのインストールに慣れた人にとっては退屈な光景だろうが、Windowsしかインストールしたことないよ!という人にとってはきっと驚きと発見があるはずだ。

2010-10-27

Desktop Linux Is Great

最近、PC Worldに「Desktop Linux: The Dream Is Dead」という記事が投稿され、非常に多くの注目を集めているようである。筆者はGNU/Linuxをデスクトップとして愛用しているが、決して「もう終わりだ」などとは感じていない。むしろようやく始まったな!と実感しているところである。筆者は「LinuxにはGNUを冠せよ!」などと思っているフリーソフトウェア支持者であるが、GNU/Linuxをデスクトップとして利用するのは、何も「自由が大切だから」という理由だけではない。もちろんそれもあるが、最大の理由は「死に狂うほど便利だから」である。そんなことを言うと、WindowsやMacに慣れきったユーザーの中には、

「(GNU/)Linuxが便利だとぉ〜?!寝言は寝てから言いなッ!!」

などと思われる方もいらっしゃるかも知れない。なので、今日はGNU/Linuxがデスクトップとして如何に優れているかということについて、とくとくと語りたいと思う。

2010-10-25

書評: 看板に偽りなし!「KVM徹底入門」

仮想化技術が注目されはじめて久しい。クラウドコンピューティングのバックエンドには仮想化が必須であり、ユーザーはあまり意識することはなくてもIaaSなどを利用する場合には仮想化技術のお世話になっている。仮想化技術には実に様々なものがあり、KVM - Kernel-based Virtual Machineはその選択肢のひとつだ。

KVMに興味があり、これから勉強しようと思うのであれば、まずこの本を手にしてみるのがいい。

2010-09-29

恵比寿にあるLinux会社の熱いギークたちに会ってきた話。

先日、友人の紹介でRed Hat社に勤めるエンジニアの方たちと食事をした。Red Hat社のエンジニアの方々とはあんまり交流が無かったのだが、やはりLinuxに、そしてフリーソフトウェアに魂を燃やす漢たちの発想は一味違う!!興味深い話を聴き、とても良い刺激を受けることができたので皆さんにも紹介したいと思う。

2010-08-26

ラップトップ購入!OSは・・・

実は最近、プライベートで利用するノートPCを新調した。用途はブログを書いたり趣味のプログラムを書いたり音楽を聴いたり写真を管理したりと、ごく一般的なものである。だが、プライベートで利用するからこそ徹底して使い心地にはこだわりたい。

ほう、今日はMacのエントリか。

と思ったそこのアナタ!早合点してはいけない。確かにMacは素晴らしい。だが、今回俺がチョイスしたのはMacではない。Linuxだ!そんなわけで、本エントリではノートPC購入からインストールしたアプリについて紹介しようと思う。

2009-09-17

私は如何にして高性能ファンレスPCから超小型LinuxマシンにMediawikiを実質数時間の作業で移行したか。

ある日、オフィスに行くとキムラデービーの木村さんに面白いマシンがあると言うので見せて貰った。

マシンと言っても、小さい白い箱からプラグがニュッと出ているだけである。そう、一昔前に話題になったあのSheevaplugである。

Sheevaplugはニュースで見て知って居たが、実物を見るのは初めてだ。とはいっても、実際に稼働しているものを見たわけではなく箱から出したばかりのものを見せて貰っただけである。実物を見た第一印象は、軽い!小さい!の一言だ。この小さな箱でサクサクとUbuntu Linuxが動いてたったの$99(送料別)というから、俺が欲しくなるのは当たり前というものである。Sheevaplugを知らない人のために、簡単にSheevaplugのスペックを紹介しよう。
  • ARM 1.2GHz CPU
  • 512MB RAM
  • 512MB フラッシュメモリ
  • ギガビットイーサネット
  • SDカードアダプタ
  • USB 2.0 x1
  • 110mm (L) x 69.5mm (W) x 48.5 mm (H)
少々RAMやフラッシュメモリが貧弱な気はするが、$99ならば十分納得のスペックである。しかも完全ファンレスだから無音。そして19W程度の低消費電力。家庭でこっそりと使いたい男性諸氏にとって何とも有り難い仕様ではないだろうか。家庭にも財布にも優しいとはこのことである。

詳しい仕様などについては、Sheevaplugを販売しているGlobal Technologies社のページを見て頂きたい。ここまで低価格な製品に仕上げられたのは、ひとえにSystem-On-a-Chipだからであろう。(それでも安すぎるが、それはβ版という扱いだからだろうか。)

なんでこのSheevaplugが欲しかったかというと、MySQL Practice Wikiを運用するためのハードウェアをもっと小型のものにしたかったからだ。完全に無音で、低消費電力で、運用が楽ちんなもの。今は静音PCの老舗オリオスペックで購入したHFX MicroにSolaris 10をインストールして使っているのだが、さらにもっと静かで低消費電力でコンパクトなものに変えたかったのである。(ついでにHFX Microを他の用途で利用したくなったからである。)

このSheevaplug、色々弄ってみたがとても素直でいいこちゃんである。あれよあれよという間に設定が進み、電源を入れてからものの数時間程度の実作業でWikiを移行することが出来てしまった。まあ、ぶっちゃけMediawikiを移行したかっただけなので大した作業は必要なかったといえばなかったのだが、こうも作業がすんなり運ぶのはちょっと感動である。あまりにも作業がスムーズだったので、「よく分からないから手を出しづらいな」と思っている人のために設定すべき内容を残しておくことにする。皆さんの購買意欲に繋がれば幸いである。いや、ホントコレ$99の割にちゃんと動いてお買い得ですよ、ちょっとそこの奥さん!

というわけでまずは購入についてであるが、日本に代理店がないので海外から直接取り寄せる必要がある。しかも購入できるのはGlobal Technologies社のWebサイトだけ。海外からなので送料はけっこうかかる。Fedexなら$34.77。Sheevaplug本体$99とあわせると合計$133.77なり。円高だから12000円ちょっと。それでも安い!

Sheevaplugが届いたらまずは電源投入!であるが、Sheevaplugにはボタンなどの類は一切なく、電源を入れるといきなりOSが起動する。しかもSheevaplugにはディスプレイアダプタというものが存在しないので、モニタに接続することもできない。どうやって操作すればいいのだろうか??

答えはUSBケーブルである。Sheevaplugの側面にはデバッグ用のミニUSBポートがついており、付属のケーブルを使ってパソコンと接続することによって操作が可能である。筆者の場合はMacを使って設定したのだが、MacからSheevaplugへ接続するための設定方法はHisao's Blogさんで紹介されているのでそちらを参照した。至って簡単である!(筆者は種々のサーバーマシンをメンテナンスしてきた経験があるので、この手のコンソールからマシンにアクセスするのは抵抗がないのだが、PCしか触ったことがない人はちょっと抵抗があるかも知れない。けど簡単だからやってみるといいよ!)

LinuxやWindowsを母艦にしたい場合には、このへんこのへんを参考にすると良いだろう。

USBのコンソールから接続すると、u-bootというファームウェア(PCでいうところのBIOSの役割に相当)が表示され、それからUbuntu Linuxが起動する。サーバー用途で利用したいので、もちろんOSには固定IPを割り当てたりDNSの設定をしたりするわけであるが、この辺の諸設定は普通のUbuntu Linuxとまったく同じである。のら犬にさえなれないさんで、設定すべき項目がよくまとめられているのでそちらを参照して欲しい。

諸設定が終わったら、今度はカーネルの更新を行う。デフォルトで搭載されているカーネルは、2.6.22.18なのだが、ファイルの書き込みが遅いらしい。そこで、カーネルを2.6.30.5へアップグレードしよう。といっても作業は簡単で、有志が作成してくれたスクリプトをイッパツ実行するだけである。

1. まずはwgetをインストールする。

shell> apt-get install wget

2. 実行出来る不思議なREADMEをゲットする。

shell> wget http://sheeva.with-linux.com/sheeva/README-2.6.30.5

3. READMEのパーミッションを変更して実行する。

shell> chmod 700 README-2.6.30.5
shell> ./README-2.6.30.5

するとこのスクリプトがカーネルのバイナリをダウンロードして、フラッシュメモリへの書き込みまで行ってくれる。簡単楽チンである。詳細な手順はHisao's Blogさんで紹介されているのでそちらを参照して欲しい。

さて、ここで問題になるのがデフォルトのフラッシュメモリが512MBしかないということである。流石にMediawikiしか利用しないといっても、これでは直ぐにデータが溢れてしまうことだろう。(パッケージも色々追加したいしね。)ならばSheevaplugに搭載されたSDカードスロットにSDカードを差し込んで利用すれば良い。SDカードは適宜事前に準備しておこう。筆者はちょっと奮発して、Sandiskの超速いヤツを購入した。SheevaplugよりもSDカードの方が高額だったのはご愛敬!である。SDカードを利用するには、u-Bootと呼ばれるファームウェアを更新する必要がある。u-BootはUSBケーブルでコンソールに接続し、OSが起動する前にキーを押すことで操作することができる。キーを押すタイミングは次の通り。(次はUSBケーブルを使って接続し、Sheevaplugを起動したときの出力例だ。)

       __  __                      _ _
        |  \/  | __ _ _ ____   _____| | |
        | |\/| |/ _` | '__\ \ / / _ \ | |
        | |  | | (_| | |   \ V /  __/ | |
        |_|  |_|\__,_|_|    \_/ \___|_|_|
 _   _     ____              _
| | | |   | __ )  ___   ___ | |_ 
| | | |___|  _ \ / _ \ / _ \| __| 
| |_| |___| |_) | (_) | (_) | |_ 
 \___/    |____/ \___/ \___/ \__| 
 ** MARVELL BOARD: SHEEVA PLUG LE 

U-Boot 1.1.4 (Aug 22 2009 - 11:36:42) Marvell version: 3.4.16

U-Boot code: 00600000 -> 0067FFF0  BSS: -> 006CF100

Soc: 88F6281 A0 (DDR2)
CPU running @ 1200Mhz L2 running @ 400Mhz
SysClock = 400Mhz , TClock = 200Mhz 

DRAM CAS Latency = 5 tRP = 5 tRAS = 18 tRCD=6
DRAM CS[0] base 0x00000000   size 256MB 
DRAM CS[1] base 0x10000000   size 256MB 
DRAM Total size 512MB  16bit width
Flash:  0 kB
Addresses 8M - 0M are saved for the U-Boot usage.
Mem malloc Initialization (8M - 7M): Done
NAND:512 MB

CPU : Marvell Feroceon (Rev 1)

Streaming disabled 
Write allocate disabled


USB 0: host mode
PEX 0: interface detected no Link.
Net:   egiga0 [PRIME], egiga1
Hit any key to stop autoboot:  0 <---- ココでキーを押す!

u-Bootはコマンドを入力して操作するのだが、以下は主なコマンドである。
  • help...コマンド一覧を表示する。
  • boot...OSを起動する。
  • printenv...環境変数を表示する。
  • setenv...環境変数を設定する。
  • saveenv...環境変数を保存する。(setenvだけではフラッシュメモリに書き込まれない。)
  • run...環境変数に設定されたコマンドを実行する。
  • mmcinit...SDカードを認識する。
  • bubt...u-Bootを更新する。
というわけで、bubtコマンドを使ってu-Bootを更新するわけである。更新する対象のu-Bootは、アクセス可能なtftpサーバーに事前に置いておかなければならない。Mac OS Xならば、デフォルトでtftpサーバーを利用することができる。u-Bootの新しいイメージを、/private/tftpbootディレクトリにコピーしよう。u-Bootのイメージは、Hisao's blogさんの方で配布されているのでそちらからダウンロードして欲しい。ついでに言うと詳細な更新手順もそちらに載っているので参照して欲しい。以下、実行手順例のダイジェストである。

Marvell>> setenv ipaddr 192.168.1.123
Marvell>> setenv serverip 192.168.1.100
Marvell>> setenv netmask 255.255.255.0
Marvell>> saveenv
Marvell>> bubt u-boot-rd88f6281Sheevaplug_400db_nand.bin

すると「Override Env parameters? (y/n)」と聞かれるので、必ず「n」を選択しよう。リセットすればいっちょあがりである。

Marvell>> reset

リセットが完了したらもう一度u-Bootに入り、mmcinitコマンドを実行しよう。これでSDカードを利用する準備は整った。OSを起動して、fdiskコマンドを利用するとSDカードを認識しているのが分かるだろう。

ここで次に考えるのは、恐らくSDカードからOSをブートすることが出来ないか?ということではないだろうか。実はこの作業、めちゃくちゃ簡単である。簡単であるにも関わらずその効果は絶大で、OSの起動がもの凄く高速化したり(u-Bootからものの5秒程度で起動するようになってしまう!)、SDカードから起動するようにしておけば、SDカードを差し替えることでOSを入れ替えるといった芸当も可能になり、超オススメなのである。SDカードからOSを起動する手順は次の通り。

1. パーティションを切る。

shell> sudo fdisk /dev/mmcblk0

パーティションの切り方はお好みで。筆者はswap用に1GB、残りをファイルシステム用に設定した。

2. ファイルシステムを作成する。

shell> sudo mkfs -t ext3 /dev/mmcblk0p1
shell> sudo mkswap /dev/mmcblk0p2
shell> sudo mount /dev/mmcblk0p1 /mnt

3. OSをコピーする。

shell> sudo cp -ax / /mnt
shell> sudo cp -a /dev /mnt

4. カーネルを/mntにコピーする。

カーネル本体はREADME-2.6.30.5を実行したときにダウンロードされているはずなので、これを使う。ファイルの場所は/mntではなく/mnt/bootでも構わない。/mnt/uImageとしてリンクを作成しておこう。

shell> sudo mv /root/sheeva-2.6.30.5-uImage /mnt
shell> sudo ln /mnt/sheeva-2.6.30.5-uImage /mnt/uImage

ついでに/mnt/etc/fstabを編集して、スワップを追加しておこう。

/dev/mmcblk0p2 none swap sw 0 0

5. u-Bootを設定する。

OSを全てSDカードにコピーしたら、再起動してu-Bootへ入ろう。そしてbootargs環境変数を変更し、「root=/dev/mtdblock1」となっているところを「root=/dev/mmcblk0p」に書き換えよう。また、OSを起動する前にu-Bootでmmcinitコマンドを実行する必要があるが、これはbootcmd環境変数の先頭に「mmcinit;」という一文を追加することで対処可能である。

6. OSを起動する。

OSはSDカードから起動しただろうか?これまでの一連の作業はPlug Wikiのページ(英語)にも載っているので、そちらも参照して欲しい。上記の手順は筆者が多少アレンジしたものである。

上記の設定では、SDカードが抜かれている場合にOSが起動しない。さらに一歩進んでu-Bootを設定すると、SDカードがある場合にはSDカードから、SDカードがない場合には内蔵のフラッシュメモリからOSが起動する・・・という具合に動作させることが可能である。この手順はのら犬にすらなれないさんで紹介されているので、そちらを参照して欲しい。

さて、ここまで来れば後は通常のUbuntu Linuxとまったく同じように操作が可能である。ディスク容量もそこそこあるので、あまり神経質になる必要もない。(あえて解説する必要すらないかも知れない。)しかし、こんな風にすればちゃんと出来ますよ!ということを紹介するために、実際に筆者が行った設定を紹介しておく。

1. MySQLのビルド(笑)

いきなりコレかよ!?と思うかも知れないが、MySQLerたるものまずはMySQLをコンパイルしたくなるのが人情というものだろう。MySQLをビルドするには、build-essentialおよびlibncursesw5-devパッケージをインストールする必要がある。

shell> sudo apt-get install libncursesw5-dev build-essential

ま、以下はお好みで。

shell> sudo apt-get install libtool bzr

MySQL Community Serverのソースコードをダウンロードサイトから入手し、解凍し、おもむろに...

shell> ./configure [オプション色々] && make

を実行する。さすがにSheevaplugのCPUではビルドに時間が掛かってしまう。筆者はコンパイル中に外食していたので実際にどれぐらい掛かったかは不明であるが、見るからにコンパイルが遅いので相当時間を要するのだろう。無事にビルドが完了したら

shell> sudo make install

でMySQLのインストールは完了である。/etc/mysql/my.cnfを編集しよう。ついでにソースコードに含まれるsupport-files/mysql.serverを/etc/init.dにコピーし、MySQL Serverが自動で起動するようにしておくといいだろう。

shell> sudo cp support-files/mysql.server /etc/init.d
shell> update-rc.d mysql.server defaults

データディレクトリの初期化とか諸々の設定に関しては説明を割愛する。筆者はMySQL 5.1.38に含まれるInnoDB Pluginを利用したかったのでソースコードからビルドしたが、まあ、ふつうは自分でビルドするよりはUbuntu標準のMySQLパッケージを利用するといいだろう。その場合のインストール方法は以下。

shell> sudo apt-get install mysql-server mysql-client

2. Apache/PHPのインストール

MySQL Practice Wikiは、Wikipediaと同じMediawikiを使って構築している。MediawikiはPHPで記述されているので、ApacheやらPHPやらをインストールする。

shell> sudo apt-get install apache2 php5 php5-mysql

3. データ移行

あとは既存のマシン(HFX Micro)からMySQLのデータをmysqldumpを使って移行し、利用しているMediawikiのファイル(ApacheのDocumentRoot以下)を全てコピーすれば作業は完了である。めでたしめでたし!!

以下、Sheevaplugを利用するにあたって参考になるサイトをリストアップしておく。この投稿を読んで「興味がわいたよ!」と思ってくれたギーク諸氏は、ぜひSheevaplugを試してみて頂きたい。さすがに発売からかなり経過しており、なおかつOSも標準的なLinuxなので、Sheevaplugは結構使えるというのが筆者の感想である。


PlugWiki
http://plugcomputer.org/plugwiki/

SheevaPlug@Pukiwiki
http://mizupc8.bio.mie-u.ac.jp/pukiwiki/index.php?SheevaPlug

Yu's Blog
http://notepad4yu.wordpress.com/

Hisao's Blog
http://www.alpha.or.jp/

のら犬にさえなれない
http://xeon.cocolog-pikara.com/blog/

Ubuntu Weekly Recipe: 第69回 GW特別企画・電源プラグ型コンピューターSheevaPlugの使い方(1):基礎編
http://gihyo.jp/admin/serial/01/ubuntu-recipe/0069

Ubuntu Weekly Recipe: 第70回 GW特別企画・電源プラグ型コンピューターSheevaPlugの使い方(2):インストール編
http://gihyo.jp/admin/serial/01/ubuntu-recipe/0070

2009-02-20

MySQL ClusterのRPMパッケージ

MyNAのメーリングリストで迷ってる人を見かけたのだが、意外と同じことで悩んでいる人が多いのではないかと思って書いておく。

MySQL Clusterのダウンロードページに行くと、Linux用のRPMが細かく分かれていて、どのパッケージをどのホストにインストールすればいいのか迷ってしまうんじゃないだろうか。MySQL Clusterには管理ノード、データノード、SQLノードの3種類が存在するが、それぞれにインストールしなければいけないRPMは次の通り。

2008-11-08

リフレッシュ

MySQLユーザコンファレンス2008も終わり、一息つきたかったのでPCのリフレッシュを行った。

オトコたるもの、リフレッシュにも真剣に取り組まなければならぬ!!

何をワケの分からないことを言ってるのか?!と思ったことだろう。高校時代のクラスメートによる次のような格言がある。彼は非常に学問が優秀で、とにかく多くの時間を勉学に費やしたのだ。その彼のひとこと。

「あー、数学疲れた。だから歴史で休憩しよう。」

2008-09-08

書評:Linuxシステムプログラミング

Linuxシステムプログラミング

Robert Love (著)

Linuxにおけるシステムコールやglibc関数群の使い方について分かりやすく説明してくれる本。Linuxがユーザアプリケーションに提供するサービスがどのようなものかを理解するのに役立つ。初心者から熟練者まで幅広い読者層におすすめ。特にLinuxプログラマにとっては必読の本であると言える。

古典的なUNIXのインターフェイス、そしてLinuxによる独自拡張、POSIXで定義されている高度なインターフェイスの比較がおもしろく、すっきりとまとめてくれていて分かりやすい。復習にももってこいの一冊!!

2008-08-09

MSのない世界

ITMediaの記事より
IBM、“MSフリー”なデスクトップPC提供へ
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0808/06/news042.html

オトコは記事が多少古くても気にしてはいけない。思い立ったら吉日。迷わずBlogするべし!!

往年のギークならこのニュースを読んで思い浮かべるのはOS/2の存在ではないだろうか。OS/2はかつてIBMとMicrosoftが開発したOSである。だがMicrosoftはOS/2から離れてWindowsを開発し、Windowsは爆発的なヒット商品となった。一方でOS/2は競争に敗北し、IBMは煮え湯を飲まされたのだ。

そしていま、MicrosoftはVistaのおかげでこれまでにない危機に瀕している。このタイミングでIBMがMSフリーのPCを提供するその裏には・・・

積年の恨み晴らさでおくべきかァッ!!!

という声が見え隠れする。気のせいだろうか・・・。

IBMはIT業界の巨人であり、影響力は絶大である。そのIBMがMSフリーのPCを推進しすることには大きな意味がある。IBMが出すからこそ、MSフリーのPCはMicrosoftにとって驚異なのである。

ちなみにオトコはMacユーザーであり、仕事では完全にMSフリーであるがまったく問題なく業務を遂行できている。そのことを鑑みると、MSのソフトウェアは業務に必須のコンポーネントではないと考えられる。(ちなみにオフィスソフトはNeoOfficeを利用している。)したがって、IBMの取り組みはある程度成功するのではないだろうかと予測している。

MSフリーの先には真のフリー、つまり自由が待っている。ぜひIBMには頑張っていただきたい。

2008-05-30

お父さんのお小遣いでクラスタリング

オトコもサーバーもダウンタイムは許されない。

サーバーにおいて手軽にダウンタイムを低減するための仕組みと言えばクラスタリングである。しかしながらクラスタリングはかつて、それなりに高価なソリューションであった。なぜならば、以下のような理由があるからだ。
  • メインフレームの置き換えとして利用するパターンが多いので客層がいい。(お金をたくさん持っている。)
  • 共有ストレージ(主にSCSIやファイバーチャネルのRAIDアレイ装置)が必要である。
  • 市販のクラスタリングソフトはライセンス料が高い。
しかし月日はながれ、最近はこういった事情は変わりつつある。事情を変えたのはズバリ、フリーオープンソースソフトウェア(FOSS)によるクラスタリングソフトであるHeartbeat、および共有ディスクを必要としない共有ストレージソリューションであるDRBDだ。今日はDRBDについて少し語ってみたいと思う。いつもの調子で。

2008-04-25

OSと恋人は新しい方がいい!?

オトコたるもの、いつでも新しいことにチャレンジせねばならぬ。

先日Ubuntu 8.04 LTS Desktop Editionがリリースされた。人気急上昇中のUbuntuが満を持して出した新バージョンである。

2008-04-23

Linuxとディストリビューションと俺。

オトコたるもの、優柔不断は禁物である。

しかし世の中即断即決で済む問題ばかりではない。その最たるものがLinuxディストリビューションの選択だろう。Linuxディストリビューションに関して、ZDNet Japanに興味深い記事が掲載された。これは参考になる!

2008-04-21

CentOSでノートPC復活!

オトコたるもの、仕事道具は大切に扱わねばならぬ。

かなり以前に購入して使い込んだノートPCが、残念なことに数ヶ月前に起動しなくなってしまった。メインのPCは他にある(MacBook Kuro)し、色々試したが改善しなかったのでしばらく眠らせてあった。そのノートPCのスペックと状況は以下の通り。
  • モデルはソニーVAIO-Z
  • CPU:Pentium M 1.5GHz
  • RAM:1GB
  • HDD:60GB
  • モニタ:SXGA+(1400 x 1050)
  • キーボード:こだわりのUS配列
  • 購入:2003年
  • OS:Windows XP Professional
  • 状態:OS起動時にブルースクリーンが発生。セーフモードですら起動しない。