AIに「丸投げ」を体験。たった一言でGmail整理が終わる、ChatGPT「エージェントモード」

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AIに「丸投げ」を体験。たった一言でGmail整理が終わる、ChatGPT「エージェントモード」

Lifehacker 2025年9月25日掲載の記事より転載

最近「AIエージェント」という言葉を耳にすることが増えてきました。AIに質問して答えをもらうだけでなく、自分の代わりに外部サービスとつながり、実際に動いてくれるのがエージェントの大きな特徴。

しかし「具体的にどんなタスクを依頼できるのか」疑問を持つ人も多いでしょう。

そこで、本記事ではChatGPTと連携できるようになった「Gmailメール整理」を題材に、ChatGPTのエージェントモードを実演してみます。

ChatGPTの「エージェントモード」とは?

ChatGPTのエージェントモードとは、Operator、Deep Research、ChatGPTの機能を統合した統合エージェントシステムです。

2025年7月17日にリリースされ、有料プラン(ChatGPT Plus 以上)のユーザー限定で利用可能な機能です(2025年8月時点)。

たとえば、以下のようなシーンで活用できます。

  • カレンダーと連携して予定を入力する
  • Gmailの内容を読み取り、要約や返信文を作成する
  • SNSのプラットフォームを操作し、フォローしたり投稿したりする

従来、こうした外部サービスとの連携は「API連携」として提供されており、APIキーの発行、ZapierやGoogle Apps Scriptを使った設定が必要でした。

エージェントモードはこの仕組みをChatGPT側で肩代わりしてくれます。ユーザーは「このメールを要約して予定に入れて」と自然に頼むだけで、裏側でAPI連携が走り、必要な処理が完了します。

Gmailを開封せずに要約し、返信文を提案

今回はこの中から、Gmailを題材に、「メールを要約して返信文をつくり、予定に落とし込む」流れ を深掘りします。なお、記事中に挿入している画像の元データには個人情報が含まれているため、一部加工しています。

まず、ChatGPT(有料プラン)でエージェントモードを選択します。

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次に連携するアプリケーションを選択します。今回はGmailとGoogleカレンダーを接続します。

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接続時には、認証やログインが必要になります。

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接続が完了したら、プロンプトを入力します。細かい操作を指示しなくても「こうしてほしい」と自然に伝えるだけでOKです。

プロンプト例

「本日届いたメールを要約し、それぞれのメールの返信文を作ってください。日付や時刻が書かれている場合はGoogleカレンダーに予定を登録してください。」

メールを読む・要約する・返信を考える・予定に落とし込むといった、これまで自分で行っていた作業が、一度の依頼で完了します。

実行フロー

ChatGPTの実行フローは以下になります。

  1. Gmailから本日届いたメールを取得
  2. 各メールの本文を要約
  3. 要約内容に基づいて返信文を下書き生成
  4. 日付・時間・場所が含まれている場合はGoogleカレンダーに予定を登録
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実際の動作は?

プロンプトを入力した時点で本日届いたメールは6件です。うち、3件は記事の執筆用に送ったダミーメールで、まだ開封していません。

プロンプトを入力すると、ChatGPT内に仮想のデスクトップが表示されます。

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3分ほどで回答が生成されました。6件のメールに対する要約と返信内容が出力されています。

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試しに3番目のメールの回答が送付されたメールに対応しているか確認してみます。

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要約と返信、どちらも送付されたメールの内容に対応しています。注目すべきは、この回答が生成されるまで、筆者はメールを開封していない点です。ChatGPTが筆者よりも先にメールを閲覧したことがわかります。

カレンダーに予定まで挿入!Geminiとの違いは?

1回目の回答をスクロールしていくと、カレンダーに登録する予定の案が表示されます。ユーザーがプロンプトで許可を出すとカレンダーへの反映が実行されます。

この時、Googleカレンダーへのログインを求められる場合があります。

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実行の指示を出すと、再び仮想のデスクトップ画面が立ち上がります。ChatGPTがGoogleカレンダーを操作している様子をリアルタイムで確認することができます。

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しばらく経つと、開いていたGoogleカレンダーに突如予定が現れました。

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今回のテストでは、指示入力から完了まで約25分を要しました。処理時間は作業の複雑さによって変動します。その間、ステップごとにユーザーへ許可を求めてくることもあるので、完全に丸投げとはいきません。

注意したいのは、依頼を投げたときに処理が始まり、そのセッションが開いている間に実行されることです。ブラウザやアプリを閉じてしまうと途中で止まる可能性があります。自分でやった方が早い場合もあるでしょう。

ただ、自分でやれば5分で終わる作業をChatGPTが15分かかったとしても、「5分は自分の時間を別の作業に使える」と考えることもできます。仮に、従来5分かかっていたタスク10個をChatGPTに任せたら、50分の時間を手に入れられるわけです。

ちなみに、「GmailとGoogleカレンダーならGeminiに頼んだほうが早いのでは」と感じた方もいるかもしれません。別の日に同じプロンプトをGeminiで試したところ、カレンダーへの予定挿入しかできませんでした。

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まずは、メールを要約や予定の自動登録といった小さなタスクから試してみると、AIエージェントの可能性を実感できるのではないでしょうか。

著者:重田信

1987年奄美大島生まれ。2014年から日本人学校の教員として、タイ・バンコクと中国・深圳で計8年勤務。帰国後にライターとしての活動を始め、Webメディアを中心に、生成AIの活用法や著者インタビューなどの記事を執筆している。2024年からは日本の小学校で講師としても勤務している。

X: https://x.com/shigetama1112

note: https://note.com/shigetama1112

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Photo: 重田信