セラミック製品大手の日本ガイシは31日、長寿命で大容量の蓄電が可能なNAS電池(ナトリウム硫黄電池)の生産・販売を終了すると発表した。同社が世界で唯一手がける独自の電池だが、新規の受注は行わない。思うように販売が伸びず、中国勢が蓄電池市場で台頭するなど、不採算事業となっていた。 【写真】会見する日本ガイシの小林茂社長=2025年10月31日午後、名古屋市中区、近藤郷平撮影 日本ガイシは2002年に世界で初めてNAS電池を商用化。再生可能エネルギーの広がりを背景に、NAS電池の需要が増えるとみていた。しかし、販売は伸び悩み、コスト競争力がある中国のリチウムイオン電池メーカーが台頭。材料価格の高騰にもさらされており、NAS電池の事業を浮上させるのは難しいと判断した。新規の受注は行わず、販売・納品済みの製品のアフターサービスは継続する。 小林茂社長は31日の会見で、「ここが潮時。(注力している)

