中国から発射された弾道ミサイルが台湾や在日米軍基地を一斉に襲い、大規模な上陸部隊が台湾本島西岸に押し寄せる-。台湾有事を想定した机上演習でおなじみのシナリオは、現実に起きるのか。米シラキュース大で8月に実施された机上演習は、中国の指導者の視点に立てば、こうした選択をする可能性は低く、米国の思考は軍事的な能力の分析に偏りすぎていると警鐘を鳴らした。 米国の思考の盲点シラキュース大の机上演習は米国の国務省や国防総省、中央情報局(CIA)、米陸海軍、英政府の元高官と国際関係の研究者計25人が集まり、2日間行われた。参加者の約半数は中国軍や中国共産党に関する専門知識の持ち主だ。 演習に参加した米ランド研究所のジェフリー・マイケルズ氏とシラキュース大のマイケル・ウィリアムズ准教授が連名で、米軍事専門サイト「ウォー・オン・ザ・ロックス」に演習の概要を紹介する記事を掲載した。 記事によると、演習は米側で

