新しく入居した途端に、マイホームの価値は購入時の値段から目減りする。40年ローンを払い終わった時点で、資産価値はほぼゼロに等しい。 BBCの東京特派員として初めて着任した時、このことを知って私は途方に暮れた。あれから10年たち、離任の準備をする中でも、この現象は同じだった。 この国の経済は世界第3位の規模だ。平和で、豊かで、平均寿命は世界最長。殺人事件の発生率は世界最低。政治的対立は少なく、パスポートは強力で、新幹線という世界最高の素晴らしい高速鉄道網を持っている。
東京新宿・歌舞伎町。 飲食店や風俗店、それにホストクラブ、キャバクラ店などがひしめき合う歌舞伎町。 その中心部に、10代の男女が多く集まる広場がある。 ここは、近くにある「新宿東宝ビル」の名前にちなんで、「トー横」と呼ばれている。 歌舞伎町に詳しい人物によると、3年ほど前から中学生や高校生くらいの少年少女がどこからともなくやって来るようになったという。 私たちがまず感じたのは、そこにいる子どもたちの独特なファッションだ。モノトーンの洋服に厚底のブーツを合わせ、目の涙袋を際立たせたメイクは、「地雷系」などと呼ばれている。 こうした格好で自分たちの動画や写真を撮影して、SNSに投稿するのが大きなブームになっているという。
出産条件に奨学金の返済減免 教育費軽減で提言へ―自民調査会 2023年03月02日20時02分 自民党本部=東京都千代田区 自民党の「教育・人材力強化調査会」は2日、子育て世代の教育費負担の軽減に向けて来週中に取りまとめる提言の内容を固めた。学生時代に奨学金の貸与を受けた人が子どもをもうけた場合、返済額を減免することなどが柱。20代~30代前半の子育て時期と奨学金の返済時期が重なるため、返済額を減らして子どもの教育にお金を掛けられるようにする狙いがある。 出産条件の返済減免案を批判 国民幹事長「感覚ずれている」 出産するかしないかにかかわらず、奨学金の返済に苦しむ若者がいる中、返済と出産を結び付ける案は議論も呼びそうだ。 党内で少子化対策を議論している「こども・若者」輝く未来実現会議に提言し、政府が3月末をめどにまとめる「異次元の少子化対策」の「たたき台」への反映を目指す。減免に使う財源は
家庭の貧困が子どもの学習理解や進学を阻む傾向が、内閣府の初の全国調査で明らかになった。貧困層の子どもの学校の授業が「分からない」割合が、比較的暮らし向きが安定している層の3倍以上で、進学希望が「中学・高校まで」にとどまる割合は4倍以上だった。生まれた環境が人生を左右しかねない「親ガチャ」がデータ面からも裏付けられ、対策が求められている。(渥美龍太) 調査は昨年2〜3月、全国の中学2年生とその保護者5000組に郵送で実施し、回収率は54.3%。世帯の収入を調べ「貧困層」「準貧困層」と、比較的に暮らし向きが安定している「それ以外」に分け分析した。 子どもにクラスの中での成績をどう思うかを聞くと、貧困層は「やや下のほう」と「下のほう」の合計が52%と、それ以外の26%の2倍に上った。授業の理解度で「ほとんどわからない」と「わからないことが多い」の合計は、貧困層が24%となってそれ以外の7.3%
中国は広大な国土を持ち、その地域差は気候や方言だけでなく、食文化にも色濃く表れています。なかでも「辛さ」の好みは、地域ごとに大きく異なる特徴の一つです。 中国の辛さMAPこれは中国各地の辛さMAPです。 无辣区🟩=日本と同じ 微辣区🟧=普通がピリ辛 中辣区🩷=普通が辛い 重辣区🟥=普通が激辛 地獄辣🟫=普通がヤバい私の経験上、重辣区(普通が激辛)以上の場所で微辣(ピリ辛)を頼んで失敗したことが多いです。 このように、中国でも一般的に沿海部は辛くありません。 しかし、少し内陸部の江西省・湖南省が地獄辛、更に内陸の湖北省・重慶・貴州・四川省が重辛になっています。 なぜこのような分布になっているのでしょうか。 この記事では地域による辛さの違いを、気候・歴史・経済的要因から整理して解説します。そして最後に各地の辛さ文化を紹介します。 気候がもたらす辛さの役割一般的によく言われるのが気候説
生活保護博士号ニキとか授業料値上げの報道とかに触発された。 残念ながら、いわゆる理解のある彼くん要素がある。 長いと思ったら一番最後だけ読んでくれるとうれしい。 東大に入れたのは単純にペーパーテストがめちゃくちゃできたからだが、目指すようになったのは模試の結果を見た高校の教師が勧めてくれたことがきっかけ。たぶん高2の春。 それから東大を意識するようになって、現国の問題で毎回おもしろい文章読めて最高〜、図書館で出典探して著者経歴を見ると東大出身者多いな〜、東大に行けばこういうおもしろい考えにもっと出会えるのかな??ぐらいの浅い動機で東大を第一志望にし始めた。 金のことはあんまり考えてなかった。 高校は私立だったが奨学生として学費は全額免除してもらっていた上に(その条件で入学した)、民間団体が県民対象でやっていた給付型奨学金も支給されていた。 学力も授業だけで問題なかったので予備校に通う必要も
生まれる家庭の経済状況や環境によって人生が決まるという、「親ガチャ」という言葉が若者に使われるようになった。日本ではそれほど階級が固定し、格差が広がりつつあるのに、その対策が進まないのはなぜなのか、フランス国立社会科学高等研究院の教授セバスチャン・ルシュヴァリエが、仏紙「ル・モンド」に寄稿した。 世界で広がった所得格差 この30年間で、OECD諸国では所得格差が著しく拡大した。社会的な階級間を人々が移行する、社会的流動性も下がった。それゆえに、各国では不満が高まり、国家機関への信頼も揺らいでいる。 所得の不平等に関するさまざまな調査もおこなわれている。しかし、そこで算出される統計的なデータと、国民の実感には必ず乖離がある。これも制度への信頼をより低下させる要因になっている。 政府は格差を削減するための政策を打ち出してきた。しかし、それらは人々から支持されにくい。支持されない理由は主に、政府
という訳で、上昇婚をしました。豊かな生活を送っていますが、時々どんよりします。 まず、私がどんな環境からこの生活を手に入れたのかをお話ししましょう。 私の実家は年収が400万ないくらいの家でした。兄弟は3人、田舎にマイホームを持ち、母は専業主婦でした。この時点で顔をしかめられる方、多いと思います。そうです、ご想像の通り、この年収でこの生活は非常にカツカツだったと思います。 それでも、時々お金がなくて友達とのレクリエーション(小学校卒業記念で遊園地に行くとか)に参加できなかったこと以外はあまり不自由のない生活を送らせてもらっていたと思います。 しかしながら、大学進学についてはそうも行きませんでした。国立大学の学費すら出せない環境だったからです。私も年間の学費を調べて、年収の1/7を出してくれと言うのは狂気だなと思い、結果、自分で学費を稼ぎながら大学に通う道を選びました。なので、ある国立大学の
国内最難関の私立大学とされる早稲田大と慶応大の合格者に占める東京圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)の高校出身者の割合が2009~24年度の15年間でいずれも6割強から7割半ばへと増加したことが、毎日新聞の集計で明らかになった。国立の旧帝国7大学で東京圏の合格者数が増えたことが判明しているが、難関私大でも同様に格差が広がっている状況が浮かんだ。 サンデー毎日や教育専門通信社「大学通信」が毎年実施する高校への調査などを基に分析。大学入学共通テストの前身・大学入試センター試験が始まった1990年度から24年度入試(24年4月入学)までの合格者数をまとめ、地域ごとの変化をたどった。対象となる合格者は学校推薦型選抜・総合型選抜を除く一般選抜方式だが、13年度までの早大については推薦なども含む。
21世紀の資本 作者:トマ・ピケティ発売日: 2015/04/27メディア: Kindle版 新年仕事始め前の小ネタ。ツイッターでこんなのみかけたのよ。 このツイ主は、浅田論文を読んでおくことでどういう知見を得るべきなのか、ここで採りあげているネット番組の問題提起に対してそれがどう関係してくるのかは明記していない。けれど、文脈から判断して、これは日本で r>g が顕著になってきたことなんか重視すべきじゃない、それで格差なんか増えない、こんなんで騒ぐやつは煽りだ、と言いたいのだろうとぼくは判断する。 さて、この人がツイートないで言及している論文はこれだ。 core.ac.uk ちょっと待った、これ、COREか! ワタクシが座興で訳していたら「金払わないと訳しちゃダメ」と言ってそれを潰しやがった……まあいいや。勝手にやってたことだから仕方ないんだけど。が、閑話休題。 (なんか別物らしい。とばっ
2024年9月5日 東京大学 発表のポイント 文化人類学で議論されてきた贈与による覇権争いを数理モデルで表現し、贈与の規模や頻度に応じて多様な社会構造が組織されることを計算機シミュレーションで明らかにした。 文化人類学の現象に統計物理学のアプローチを導入することで、個人レベルの贈与の相互作用と、社会レベルの構造的類型の間に見られる普遍的な関係を示した。 本研究成果は、なぜ特定の地域で特定の社会構造が見られるのかを説明するための一般的な枠組みを提供する。また、数理モデルにより人間社会の普遍的性質を考察する「普遍人類学」という人類学研究の新たな可能性をひらくものである。 ミクロな贈与の相互作用とマクロな格差や社会構造の関係 概要 東京大学大学院総合文化研究科の金子邦彦東京大学名誉教授と板尾健司 博士課程大学院生(当時)は、贈与の相互作用によって様々な社会構造が組織されうることを理論的に明らかに
「フレッシャーズ産業論文コンクール」(日刊工業新聞社主催、経済産業省・日本商工会議所など後援)は、次世代の産業界を担う人材の育成を目的に、1978年に創設された新社会人対象の論文コンテストです。第43回(20年度)のテーマは、「あすの社会、あすの企業、あすの私を考える」で、I部(大手企業)とII部(中堅・中小企業)併せて計94社・759編の応募がありました。今回、多くの応募の中からⅠ部第一席、経済産業大臣賞を受賞した、富士通九州システムズ(福岡市博多区)吉村純弥さんの論文「非富裕層が進学を諦めない社会を目指して」を紹介します。社会的な格差が深刻化しつつある中、新社会人はどのような解決策を示したのでしょうか。 私の家庭は母子家庭。奨学金で大学へ進学 私の家庭は母子家庭で、昔から決して裕福ではなかった。いわゆる母子寮で生活していた私は、同じ母子家庭の幼なじみが多くいた。彼らは全員大学へ進学して
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まず言っておきたい。フランスのマクロン大統領は時代錯誤を犯しており、私たちの時間を無駄にしている。 マクロンが打ち出す政策は2020年代にまったく適合していない。まるで頭のなかは、1990年代から2000年代前半までの市場に幸福感が漂っていた時代で止まってしまっているかのようだ。2008年の金融危機や新型コロナのパンデミック、ロシアのウクライナ侵攻が起きる前の世界観で固まってしまっている。 いまの時代の特徴は、格差が拡大し、一部の資産家が空前絶後の繁栄を手にし、気候変動とエネルギーの危機に見舞われていることだ。教育と医療に投資をし、公正な経済システムをフランス国内、欧州内、そして世界全体で実現するのが急務となっている。それなのにフランス政府は、そんなことなどお構いなしに、いまも時代錯誤の反社会的政策を続けているのだ。 もはや「現実」は隠せない 2019年の時点でマクロンが打ち出していたのは
知識社会においては学歴によって社会が分断され、知能の格差が経済格差につながるという残酷な側面がある。そうした中で、「初歩的な事務作業さえできない大人がたくさんいる」という現実もある。最新刊『無理ゲー社会』で、リベラル化する社会の生きづらさの正体を解き明かした作家・橘玲氏が、仕事のリテラシーに関する国際的な調査結果をもとに考察する。 * * * 知識社会においては、当然のことながら、もっとも重要な能力は「知能」だ。問題なのは、知能の分布に大きなばらつきがあることだ。これはあまりに危険な事実なので、リベラルな社会は知能のちがいを「学力」で隠蔽し、「教育によって誰もが知能≒学力を伸ばせる」という壮大な教育神話をつくりあげた。 心強いことに、ヒトの知能(IQ)は年々上昇しつづけているらしい。この現象は1980年代にジェームズ・フリンによって発見されたため、「フリン効果」と呼ばれている(近年では、先
難関とされる国立の旧帝国7大学に合格した東京圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)の高校出身者が、2008~23年度の15年間で1・68倍に急増していたことが毎日新聞の集計で判明した。東京大以外の地方6帝大で合格者数を伸ばしたことが大きく影響しており、東京圏での受験熱の高まりが背景にあるとみられる。 教育を巡る格差に詳しい松岡亮二・龍谷大准教授(教育社会学)は「地方から難関大に挑戦しづらくなり、受験機会と受験結果の双方で格差がさらに広がる恐れがある」と指摘した。 出身地や家庭の経済力に左右される大学受験の課題を考えるシリーズ「受験格差」を随時公開します。こちらのページでは、サンデー毎日や教育専門通信社「大学通信」が毎年実施する高校への調査などを基に、各都道府県の旧帝国7大学合格者数の推移や合格者数上位10校の表を掲載しています。 【関連記事】 東大合格者、ピークの4割 「教育県」長野の進学校で起き
子ども・家族への少なすぎる政府投資 (前編から続く) 「子育て罰の厳罰化」を行う菅政権のままで、日本は大丈夫なのでしょうか。図表1は、財務省の研究機関である財務総合政策研究所で、東京大学の山口慎太郎教授が報告した資料から引用したデータです。政府による家族関係支出が増えれば、出生率が増えることをあらわしています。 日本政府の家族関係支出の対GDP比は国際的に見て非常に少なく、少子化も深刻な状況であることが確認できます。この状況を鑑みるに、日本政府が取るべきなのは児童手当の特例給付の廃止ではなく、所得にかかわりなく子育て支援全般を手厚くする政策ではないでしょうか。あらゆる子どもに基礎的な児童手当を支給しつつ、児童手当と教育の無償化を低所得世帯に手厚く加算し、高校無償化や大学無償化の所得制限緩和をしていくことが必要なのです。 児童手当の特例給付廃止に否定的なのは、私だけではありません。財務省・財
貧困が子どもの発達に影響することが研究で分かっていますが、新たに、両親の収入が子どものキャリアに影響を与えることが明らかになりました。この研究では、大学教員(教授・教員)の親のどちらかが博士号を持っている割合が、一般人と比べたとき25倍にもなるというような数字も出てきています。 The Wealth Gap in Science: How Your Parents's Income Affects Your Career - YouTube この問題を取り上げたのはスイス・バーゼル大学の物理学者デイビッド・ブロードウェイ博士が運営する科学系YouTubeチャンネル・Science Discussed。 社会経済的な地位は、科学分野の教授になれるかどうかの一番の指標といえます。たとえば、教授の両親が博士号を持っている確率は一般人の25倍だとのこと。この傾向は数十年以上にわたるもので、近年はさ
「第一志望」よりも「行ける大学」 そんな選択をせざるをえない受験生がたくさんいます。 壁は学力ではなく、受験にかかる費用。でも、夢をあきらめないで。先輩たちの支援も少しずつ始まっています。 (大阪放送局記者 鈴椋子) “進学なんて頭になかった” 京都府内の私立大学1年生、ユウコさん(仮名)です。中学校の教員を目指しています。 ユウコさんは生まれてすぐに乳児院に預けられ、その後2歳から高校卒業まで、大阪の児童養護施設で育ちました。 中学生の頃まで、大学に行くことは考えていなかったと言います。 ユウコさん 「10年以上施設で過ごしてきました。私がいた施設から大学に進学した人はその間、1人、2人しか見てこなかったです。私も大学なんて頭になかったです」 そんなユウコさんの考えが変わったのは、中学3年のとき。 尊敬する教員との出会いがありました。 「自分もあんな先生になりたい」 夢をかなえるため、児
2024年5月27日、学費値上げに関するアンケートに書いた私の文章を載せておこうと思いました。 私は、東京大学の学生として、東京大学の授業料の値上げに反対します。そして、もし値上げをする場合は、学費減免措置の拡充に賛成します。 しかし、「授業料を値上げするが、学費減免措置の拡充をすれば問題はない」という論理は、大切なことを見落としていると考えます。 まずは私の置かれている状況を説明します。 なお、学費減免を受ける学生は奨学金を併用する場合が多いと思いますのであえて奨学金についても書かせていただきます。 私は、東京大学入学時から三種類の奨学金を受給しています。給付奨学金が二種類と、日本学生支援機構の貸与の第一種奨学金です。地元は関西なので、東京大学の宿舎で一人暮らしをしています。 しかし今年度から家庭の事情が変わり、生計維持者が働けなくなり、世帯収入が非課税世帯に分類される見込みになりました
私は「機会のはしご」をかなりうまくよじ登った方かもしれない。思い返してみると、学力考査当時、教科書で見たことのない文章に慌てず、むしろ自信を持って臨むことができたのは、我が家に韓国文学全集があったおかげだ。本棚にあったとしても読まなければ何の役にも立たないだろうが、最初からそれがなければ、読む機会すらなかっただろう。私が機会のはしごを登っている間、多くの同年代の子どもたちははしごの前に立つことさえできなかった。 チョ・ヒョングン|社会学者 「みんな目を閉じて手を頭の上にのせて!」 息の音すら聞こえない試験会場に、試験監督官の声が響いた。机の上に1時間目の国語の試験用紙が置かれる音が聞こえ、心臓がバクバクした。「はじめ!」ついに目を開けて試験用紙を見た。最初の文章を見た瞬間、パニックに陥った。教科書で見たことのない文章が出題されたのだ。学力考査(現在の大学修学能力試験。大学入学共通テストに当
「子どもの貧困」と教育格差 まず、言葉の定義を確認しておきたい。子ども本人に変更できない初期条件である出身家庭の社会経済的地位(Socio-economic Status、以下SES)などの「生まれ」によって学力や最終学歴などの教育成果に差がある傾向を「教育格差」と呼ぶ。 SESは社会的、経済的、文化的な特徴を包含する複合的・多面的な概念で、多くの社会科学研究では保護者(以下、親)の職業、世帯収入、両親の学歴や文化的行為などを統合した1つの指標を作成し分析に用いている。一方、「貧困」は通常、世帯収入だけで定義される。概して、相対的な貧困家庭出身であると、非貧困家庭と比べて学力や進学などの教育達成は低位にとどまる。 SESは複合的・多面的な概念で、貧困は経済的側面である世帯収入だけで把握するわけだが、相対的な貧困層はSESが低い層と実質的に大きく重なっている。大まかな傾向として、高収入世帯の
本稿では、新型コロナウイルスに関連して経済産業研究所が実施する全5回のインターネット調査の第4回目(2021年7月20~27日に実施)の質問項目を利用して、40~65歳未満の5,995名を対象として、社会経済的地位に関連する変数(就業形態、世帯収入、学歴、預貯金額)を中心とした諸変数が調査時期までのワクチン接種の有無と関係しているか、今後のワクチン接種意思(ワクチン接種へのためらい)と関係しているかを検証した。多変量ロジスティック回帰分析の結果、正規職員と比べた場合の自営業・非正規の就業者・無職等、世帯収入が高い人々に比べた場合の低い人々、4大卒以上と比べた場合の中高卒は、ワクチンをまだ接種していなかったり今後の接種をためらったりする傾向が強いことが示された。また、夫婦の二人暮らしよりも、一人暮らし、子供と同居、親と同居している人々がワクチン接種に消極的な傾向が見られた。本稿の分析を踏まえ
@Manazuru, Kanagawa (Leica M10P, 50/1.4 Summilux ASPH, RAW)全然ブログ的ではないのですが、今ほど終わったとある国の教育系会議*1でずいぶん多くのことを投げ込んだので、例外的ではあるのですが、ちょっと備忘録的に残しておこうと思う。以前、中高生にお話した時以来かな。(手を上げるたびに6度も発言の機会を頂いた座長の清家先生に深謝。) 貧困層divide問題、、大学の奨学金もいいが、中高の進学校に入るかどうかの段階で、恵まれない環境にいるだけで多くの才能が実際には弾かれてしまう。都市部であれば中学受験、それ以外であれば高校受験。塾費のサポート、ローカルな面白い人によるメンタリング、outlier的な人材の受け皿になるdual的な場所&学校、、などが必要 貧困層divide問題2、、博士課程については10兆円基金から奨学金が相当量出ることにな
最近、親ガチャという言葉をよく聞くようになった。生まれた家によって子どもの環境が決まってしまうのは昔からの話だが、ここにきてなぜ「親ガチャ」という言葉が根付いたのだろう?ということを、昨日のウェブ飲み会で話し合った。その中で、面白い指摘があった。じゃりン子チエ。 テレビアニメのその番組で、チエは見事な「親ガチャ」だといえる。夫婦は別れてお母さんはいない、父親はバクチとケンカばかりするろくでもない男。チエはしばしば「うちは世界一不幸な少女や」と愚痴るシーンがあったように思うけれど、その割にタフでいつも明るい。ホルモン焼き屋を自ら経営。 そして肝心なのは、私の子どもの頃、こうしたチエみたいな存在を、必ずしも非現実的だとは感じなかった、ということ。こうした子どもはいるんだろうな、という感じ。実際、私の知っている人でも、建築用重機を貸し出す会社の社長もなかなかな子供時代を過ごしていた。 戦争でみな
松岡亮二(まつおか・りょうじ) 龍谷大学社会学部社会学科 准教授 ハワイ州立大学マノア校教育学部博士課程教育政策学専攻修了。博士(教育学)。東北大学大学院COEフェロー(研究員)、統計数理研究所特任研究員、早稲田大学助教・専任講師・准教授を経て、2022年度より龍谷大学准教授。日本教育社会学会・国際活動奨励賞(15年度)、早稲田大学ティーチングアワード(15年度春学期、18年度秋学期)、東京大学社会科学研究所附属社会調査データアーカイブ研究センター・優秀論文賞(18年度)、WASEDA e-Teaching Award Good Practice賞(20年度春学期)、早稲田大学リサーチアワード「国際研究発信力」(20年度)を受賞。著書『教育格差:階層・地域・学歴』(ちくま新書)は、1年間に刊行された1500点以上の新書の中から中央公論新社主催の「新書大賞2020」で3位に選出された。22年
コンサル大手のベイン・アンド・ カンパニーと、取締役会への助言を業務とするボードアドバイザーズが、CEOや社外取締役、機関投資家など40名以上にインタビューを実施。日本の「取締役会」のリアルを調査した。 CEOや社外取締役の多くは東証プライム上場企業で、日系企業が9割、外資系企業が1割だ。 匿名を条件に実施された調査では、「意識の低さに唖然」「CEOに異義を唱えない人で固められた“オールド・ボーイズ・ネットワーク”になっている」「ファイナンシャルリテラシーが低すぎる」など、なまなましい声が多数上がった。 調査結果の詳細と、調査を行なったベイン・アンド・ カンパニーの担当者が提案する取締役会の処方箋を前後編で伝える。 後編:その社外取、「社長をクビにしてでも迎えたい」ですか? 緊張感ナシ取締役会を脱するために必要なこと ROEよりPLや目先の課題を重視調査回答で目立つのは、日本の取締役会は「
ピエール・ブルデューによる文化的資本と経済的資本の模式 ディスタンクシオン(仏: La distinction : Critique sociale du jugement (ディスタンクシオン:社会的判断力批判))は、ピエール・ブルデューの1979年の[1]著書。英訳は1984年。著者ブルデューの1963年から1968年までの実証研究によるフランス文化の社会学的分析である。国際社会学会は1998年に20世紀の最も重要な社会学書10冊の1冊として選出した[2]。 著者ブルデューは、相対的な地位の社会的空間内で社会的エージェントを分類した空間は、2つの軸に沿った多次元統計分析から構築され[3] 文化的資本、つまり経済的手段を超えた社会的移動を促進する教育などの非金融的な社会的資産を多く持つ人々が、社会の中で何が嗜好を構成するかを決定することができると指摘している。全体的な資本の量が少ない人々
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