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2025gsc_Kentaro-Takai

2025年度古橋卒論用レポジトリ

Minecraftを用いた青学相模原キャンパスB棟の防災活用を見据えた内部空間再現

Modeling the Aoyama Gakuin University Sagamihara Campus in Minecraft and Its Application to Disaster Education

2025年度 卒論レポジトリ

青山学院大学 地球社会共生学部 地球社会共生学科
高井健太郎 / Kentaro Takai
学籍番号 1A122109
指導教員 古橋大地 教授

© Furuhashi Laboratory / Kentaro Takai, CC BY 4.0


Abstract

本研究は、Minecraft を用いて青山学院大学相模原キャンパス B棟の内部空間を再現し、防災教育に活用するための可能性を検討するものである。近年、ゲーム型コンテンツを教育や防災学習に活用する事例は増加しているが、大学キャンパスの内部空間まで詳細に再現し、「防災の観点から何をどこまで再現すべきか」を体系的に扱った研究はほとんど存在しない。本研究では、B棟を対象に、避難経路・非常階段・主要動線など、避難行動に直結する要素を中心に再現し、Minecraft 上に内部空間のプロトタイプを構築した。

当初、PLATEAU 3D 都市モデルの活用を試行したが、変換過程でジャギーが発生し、内部構造の精密再現には適さないことが判明したため、手作業による再現方式へ切り替えた。内部再現には、教授から提供されたキャンパス公式配置図、歩測、現地写真・動画を用い、主要動線を忠実に再現しつつ、教室内装については目的に応じて抽象化している。さらに、研究室内限定で逃走系イベントを試験的に実施したが、参加人数の急増によりプログラム処理が追いつかず、検証は失敗に終わった。現在は動線整理・プログラム軽量化の改善を進めている。

今後は、再構築したワールドを用いて防災要素を組み込んだイベントを実施し、参加者へのアンケートおよび行動ログの分析を通じて、「防災学習において内装の詳細再現が必要か」「どの要素が理解を助けるのか」を明らかにする予定である。本研究は、防災教育のための最適な空間再現レベルを検討する基盤を提供することを目的とする。


Introduction

大学キャンパスは複雑な内部構造を持ち、新入生や来訪者にとって建物内の位置関係や避難経路を直感的に把握することは難しい。特に防災教育においては、非常階段や避難経路などの空間情報を正しく理解することが重要であるが、平面図や文章のみの学習では十分な理解が得られないという課題がある。

近年、Minecraft をはじめとしたゲーム型学習環境は、空間を歩くように理解できる点で教育・防災分野で注目を集めている。しかし、既存研究の多くは 建物の外観や大まかな構造の再現 を対象としており、大学キャンパスのような大規模建築物の内部空間を詳細に再現した事例は限られている。また、防災教育という目的に対し、どの空間情報が学習効果に寄与するのかを実践的に検証した研究はほとんど見られない。

そこで本研究では、青山学院大学相模原キャンパス B棟を対象とし、避難行動に関係する内部空間を Minecraft 上に再現する。そのうえで、ゲーム前後の理解テスト(非常階段の位置、避難経路の把握など)を実施し、Minecraft 上の空間再現が防災理解に与える効果を評価することを目的とする。これにより、防災教育における空間再現の「必要十分条件」がどこにあるのかを明らかにすることを目指す。


Methods

  1. 外観データの検討 国土交通省 PLATEAU 3D 都市モデル(相模原市)を Minecraft に変換する手法を試行したが、建物形状がジャギー化し内部構造が大きく歪む問題が発生した。そのため、PLATEAU は外観理解の参考のみに留め、内部空間再現には適用しない方針とした。

  2. 内観再現プロセス • 資料:教授より提供されたキャンパス公式配置図、現地歩測、写真・動画 • スケール:1ブロック=1m • 忠実再現した箇所:主要廊下幅、非常階段位置、避難動線 • 目的に応じて抽象化した箇所:教室内装・細部の備品 • 補完データ:視認できない上層部は先行卒論(柴山・伊吹 2022)を参照

  3. イベントの試験実施

研究室内で限定的に逃走イベントを実施したが、検証段階より参加人数が大幅に増加したことで、プログラム処理が追いつかず失敗。 現在は同時参加人数の制御・プログラム軽量化・動線整理による改善を行っている。


Results(進行中)

• B棟の内部空間のプロトタイプを Minecraft 上に構築した。 • 避難経路・非常階段など、防災行動に必要な要素の配置を忠実に再現できた。 • 一方で、教室内装や細部の再現については、防災目的では優先度が低い可能性が観察された。 • 試験イベントではプログラム処理落ちが発生し、参加者動線データの収集には至らなかった。 • 現在は動作安定化の調整を進め、正式イベントに向けた環境構築を行っている。


Discussion(予定)

本研究で構築した Minecraft 上の相模原キャンパス B棟モデルは、教育や防災学習における体験型教材として活用できる可能性を示唆している。実際に歩き回りながら空間を把握できるため、図面や文章では理解しづらい動線や構造を直感的に理解できる点は、既存教材にはない特徴である。また、PLATEAU データと比較すると、手作業による再現は大幅な作業量を必要とする一方で、教育利用に求められる視覚的精度や空間把握のしやすさを確保しやすいことが確認された。

一方で、内部空間の再現には、現地観察で得られる情報量の限界や、寸法の推定に伴う不確実性が残る。また、Minecraft の特性上、1m ブロック単位で構築されるため、細かな造作の表現には限界がある。今後の課題として、VR/AR との連携による没入感の向上や、多人数が同時参加できるイベント設計などが挙げられる。さらに、A棟・C棟を含めたキャンパス全体のモデル化を進めることで、防災教育や新入生オリエンテーションなど、多様な用途への発展が期待される。


Conclusion(予定)


Acknowledgments

  • 柴山伊吹氏(2022年度卒業論文成果の参照)

References

本研究で参照した文献一覧は以下のスプレッドシートにまとめています。

QR_347564

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This work is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.

License: CC BY 4.0

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2025年度古橋卒論用レポジトリ

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