2025-09-28

STEMに携われないかキツイ

この世界からどんどん未知の世界ロマンが消えて行く。

かつて、衣食住に満ち足りた生活がどんなものなのかをほとんどの人が知らなかった。

かつて、海の向こうにはどんな世界が広がっているのか、ということをほとんどの人が知らなかった。

今、我々は衣食住に満ち足りた生活をしている。

今、我々は海の向こうにどんな世界が広がっているのかを知っている。

我々が手にしたもの幸福か?

否、途方もない退屈だ。

朝起きる。

朝食をとる。

電車に乗る。

職場につく。

パソコンを立ち上げる。

窓口に人が来る。

申請書を受理する。

会計年度職員調査員に実地調査面接の依頼を組む。

審査会をする。

介護区分認定の決定をする。

通知書を発行する。

事業者から請求書を処理する。

帰宅する。

夕食を食べる。

YouTubeを見る。

寝る。

こんな毎日永遠と繰り返される。

私はかつて、地方の県立進学校数学2Bに躓いた。

中学時代数学が得意で、高校一年時の数学1Aもなんとかついていったのだが。

数学担当していた教師は定年の年齢を過ぎた嘱託教師だった。

彼の教育方針は、教科書ノートを閉じさせ、とにかく黒板に集中させるというものだった。

聞き取れないくらいの大声で解説をしながら、汚くて読めない文字で黒板に数式や解説を書いた。

そして、途方もない大量の宿題プリントを課した。

まりにも量が多く、読み取るのも困難な小さい文字問題がびっしり書いてあり、裏表100問。

それが1日あたり5枚。

課題を忘れたり、終わっていなかったり、授業中に黒板以外に一瞬でも目線を外した生徒が1人でもいた場合、授業はストップされ残りの授業時間は全て当該生徒への説教で終わる。

そして、分からないところを休み時間に聞こうものならば「俺の授業聞いてなかったのか?おめえはよ!!ああ⁈」と胸ぐらを掴んで恫喝を始める。

私は完全に数学へのやる気を失った。

そして、自分で予習復習しようにも、大量の課題に追われて手がつかない。

回答が合っているか合っていないか関係なく、丸つけをすることもなかったので、とにかく翌日怒られないために「形だけ仕上げる」ことに放課後時間が割かれた。

その教師私たちの学年のみを二年間担当して完全に定年退職した。

私たちの学年は国立大学理系大学進学率がガクッと下がり、地元駅弁でさえほとんど合格しなかった。

そして、当該教師担当しなかった一個下の代から国立大学理科学部医学部への進学者数が復活した。

私たち数学プリント廃止された高校3年の夏休みから受験勉強に取り組むことができた。

私はわずかな時間の中で英語国語世界史を猛勉強した。

そして、早稲田大学法学部に進学した。

私がSTEMに携われないことが決まった瞬間だった。

STEM現代社会に唯一残された「未知の世界を探索することができる分野」である

それができない私の人生は本当に苦痛だ。

数学2B挫折しなければ。

まれたのが一年いか一年遅ければ。

あの教師にさえ教わらなければ。

私の人生は今より面白かったかもしれない。

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