その人は,マスクを付けてるのにわざわざそれを下にずらし,受け口で汚い,歯も黒ずんでいるのを下顎まで露出していた.肩には黒い生地に茶色い謎の汚れが染み付いたカバンを掛けている.いかにも障害者という感じだ.
電車に乗って右側が一般座席,左に行くと優先席で,当然ヘルプマーク持ちは優先席に行くと思ったのだが,障害爺はゆっくりとした足取りで電車に乗ってから舐め回すようにあたりを見渡している.
そして障害爺が目をつけたのは,一般座席の一番端っこに座っている大学生ぐらいの女.障害爺はその女にかすれた声で話しかけた.
「あの,これ(ヘルプマークを指さして)付いてるんで譲ってくれませんか」
なんという横柄さだろうか.これを見た瞬間,障害爺への怒りが込み上げた.ヘルプマークは電車で座るための印籠ではない.
大学生ぐらいの女はすぐさま席を立ったが,爺が譲られた席の隣も大学生ぐらいの女が座っていた.その女には爺の汚いカバンをバシバシぶつけ,爺は不自由そうな腰を丁寧に気遣いながらゆっくりと腰掛けた.
爺は満足そうに,気持ちよさそうに眠った.
ヘルプマーク持ちが山手線の中で催涙スプレー撒いたニュースも記憶に新しいけど,こういう障害者のせいで健常者が不自由してるといったことも知ってほしいね.植松に同情してしまった瞬間だった.
ヘルプマークは持つのにチェックがないから 席座りたい健常者がライフハックとして持ってるらしいよ